この世論調査によると、民進党公認候補の蔡英文・現総統と中国国民党公認候補の韓國瑜・高雄市長が一騎打ちだった場合の支持率は、蔡英文:53.6%、韓國瑜:30.9%で、22.7ポイントもの大差がついた。
台湾民意基金会のこれまでの世論調査によれば、4月は韓國瑜:47.9%、蔡英文:39.6と韓氏が8.3ポイント差をつけていたが、5月に蔡候補が逆転して蔡英文:47.1%、韓國瑜:40.8%となって以降、蔡候補がリードし続け、9月はもっとも大きな差となっている。
一方、ここに総統選への出馬を表明している呂秀蓮・元副総統を加えた三者の支持率では、蔡英文:49.7%、韓國瑜:27.9%、呂秀蓮:10.4%で、蔡候補は韓候補に21.8ポイント、呂候補に至っては39.3ポイントと大きく差をつけ、圧倒的な支持率を得る結果となった。
◆財団法人台湾民意基金会:2019年9月「論文門、中華民國情結與總統大選」 https://www.tpof.org/%e7%b2%be%e9%81%b8%e6%96%87%e7%ab%a0/2019%e5%b9%b49%e6%9c%88%e3%80%8c%e8%ab%96%e6%96%87%e9%96%80%e3%80%81%e4%b8%ad%e8%8f%af%e6%b0%91%e5%9c%8b%e6%83%85%e7%b5%90%e8%88%87%e7%b8%bd%e7%b5%b1%e5%a4%a7%e9%81%b8%e3%80%8d/
一方、台湾紙「聯合報」が総統選挙と立法委員選挙に関する世論調査を9月19日から21日に行い、23日に発表している。
それによると、蔡英文:45%、韓國瑜:33%で、蔡候補のリードは9月7日調査よりも1ポイント開いて12ポイントとなっている。
6月28日調査では蔡英文:38%、韓國瑜:43%と韓候補が5ポイント引き離していたが、7月26日調査では双方とも32%で同じ支持率となり、9月7日調査では蔡英文:43%、韓國瑜:33%と蔡候補が差を広げ、9月21日調査ではさらに1ポイント広げたという推移だ。
またこの調査では、ここに呂秀蓮氏と時代力量元主席の黄國昌氏を加えた四者の支持率調査も行っている。それによれば、蔡英文:39%、韓國瑜:31%、黄國昌:7%、呂秀蓮:5%という結果になった。
聯合報の調査は台湾民意基金会調査ほどの差は開いていないものの、傾向はとても似通っていて、双方とも蔡英文氏が韓國瑜氏との差を広げているという結果になった。今後は分からないが、現況を反映していると言っていいだろう。
また、中国の圧力により、台湾はソロモン諸島とキリバス共和国と断交したが、蔡英文政権への断交の影響はほとんどないと見ていいだろう。
また、本誌で呂秀蓮氏の出馬について「呂秀蓮・元副総統が出馬を表明したものの、その影響力は限定的と見られ、これで再選を目指す民進党の蔡英文総統と中国国民党の韓国瑜・高雄市長による事実上の一騎打ちの様相を呈してきました」と指摘したが、この2つの世論調査で裏づけられたようだ。
NNAアジア経済ニュースが聯合報の世論調査について、立法委員選挙を主に伝えているので下記にご紹介したい。
◆聯合報民調/藍緑對決 蔡45%韓33%[9月23日] https://udn.com/vote2020/story/12702/4062710
—————————————————————————————–立法委選の世論調査、民進党の過半数に暗雲【NNAアジア経済ニュース:2019年9月24日】
23日付聯合報が発表した来年1月の立法委員(国会議員)選挙についての世論調査によると、与党・民主進歩党(民進党)もしくは最大野党・中国国民党への投票を考えている回答者は44%にとどまった。このうち、国民党への投票を考えている人は民進党を大きく上回っており、民進党が目標に掲げる過半数の議席獲得に暗雲が立ち込めている。
立法委員選挙は来年1月11日の台湾総統選と同時に実施される。立法委員選挙は小選挙区比例代表制を採用しており、有権者は地元選挙区の候補者のほか、政党にも投票する。調査は9月19日〜21日に固定電話および携帯電話を通じて実施。1,157人から有効回答を得た。
調査によると、「民進党と国民党以外への投票を考えているか」との問いに対し、44%が「考えていない」と回答した。
考えていないと答えた人のうち、「国民党に投票する」と答えた人は59%に上り、「民進党に投票する」と答えた人の29%を30ポイントも上回った。「どちらに投票するか未定」と答えた人は12%だった。
もともと民進党を支持している人のうち、49%が2政党以外への投票を検討しているとされ、民進党支持層の票が第三勢力に流れる恐れが指摘されている。
一方、「民進党と国民党以外への投票を考えている」と答えた人は全体の40%に上った。このうち、柯文哲・台北市長が今年結党した台湾民衆党への投票を考えている人が27%、台湾独立志向の強い野党・時代力量への投票を考えている人が24%だった。
■総統選は蔡総統盤石
23日付聯合報が発表した総統選に関する世論調査によると、民進党の公認候補者、蔡英文総統と、国民党の公認候補者、韓国瑜・高雄市長の一騎打ちとなった場合、蔡氏の支持率は45%で、韓氏の33%を12ポイント上回った。
時代力量からの出馬が取り沙汰される同党の黄国昌・元党主席(党首)や今月総統選への出馬申請を行った呂秀蓮・元副総統を加えた支持率でも、蔡氏は39%でトップ。韓氏は31%、黄氏は7%、呂氏は5%となった。