開催案内に出てくる「三哲(さんてつ)文庫」とは、上山が尊敬していた吉田松陰、品川弥二郎、乃木希典の3人の哲人を指し、上山が昭和10年(1925年)、当時の防府町に図書館設立の寄付を申し出たことがきっかけで建てられた現在の防府市立図書館の前身の名称です。残念ながら、工事の遅延により完成を待たずして亡くなったそうです。
大正15年(1926年) 7月、第11代台湾総督に就いた上山は約2年の在任中、台湾銀行の立て直しや台北帝国大学の設立開学、建功神社の創建などに力を尽くしました。しかし、惜しくも、昭和3年(1928年)5月に起こった朝鮮人による久邇宮邦彦王(くにのみやくによしおう)の暗殺未遂事件(台中不敬事件)の責めを負って辞任しています。
その後、枢密顧問官となって1938年(昭和13年(1938年)7月まで在任したものの、病を得て7月30日、68歳で歿しました。
上山は台湾総督を辞するにあたり「台湾の風景を日本に持ち帰りたいとの思いから」台湾人画家の陳澄波に絵の制作を依頼。近年、その絵(東海岸臨海道路)が防府市立防府図書館の書庫から元龍谷大教授の児玉識(こだま・しき)さんによって発見されています。この絵を縁に陳澄波の故郷である嘉義との交流が生まれ、今回の上山満之進没後80年展の案内状にも陳澄波の「東海岸臨海道路」を掲載、児玉識さんの記念講演会でも触れられるようです。
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上山満之進没後80年展を開催します【防府市HP:2018年4月15日】http://www.city.hofu.yamaguchi.jp/soshiki/37/kamiyamaten.html
防府図書館の前身である三哲文庫を創設した上山満之進(かみやま・みつのしん)の顕彰事業として没後80年展を開催します。
・開催期間 5月2日(水曜日)から5月28日(月曜日)まで 午前10時から午後5時まで(入場は午後4時30分まで)
・場所 アスピラート(戎町1-1-28)2階展示ホールA
・観覧料 無料
・休館日 毎週火曜日
・記念講演会〔聴講無料〕 5月3日(木曜日)午後1時30分からアスピラート2階リハーサル室にて 「郷土の先人上山満之進翁の功績について」 講師/児玉識(こだま・しき)さん
・ギャラリートーク〔聴講無料〕 5月6日(日曜日)午後2時から「三哲文庫の話」 講師/防府市立防府図書館長/森川信夫
5月13日・20日(日曜日)午後2時から 講師/児玉識さん
チラシ(表) http://www.city.hofu.yamaguchi.jp/uploaded/attachment/84431.pdf チラシ(裏) http://www.city.hofu.yamaguchi.jp/uploaded/attachment/84432.pdf
台湾語版はこちら http://www.city.hofu.yamaguchi.jp/uploaded/attachment/84606.pdf
お気軽にお越しください。
・問合せ先 〒747-8501防府市寿町7番1号 教育総務課図書館管理室 Tel 0835-25-2590 Fax 0835-22-5376 E-mail:tosyo@city.hofu.yamaguchi.jp