【西村眞悟の時事通信】すでに「戦前」である、よって、トランプ大統領を歓迎する

【西村眞悟の時事通信】すでに「戦前」である、よって、トランプ大統領を歓迎する
                             

                西村眞悟
              
 アメリカ大統領にドナルド・トランプ氏が就任した翌日の一月二十二日の朝刊第一
面トップのみだしには、
トランプ大統領の就任演説に関して、
「米国第一」とか「米の利益最優先」とかの文字が大書されていた。
また、前日のNHKなどのテレビでは、
外務省出身の外交評論家などが、
自由や民主とかの米国の理念が全く語られなかった大統領就任演説は異例だと批判的
な論評をしていた。
 そこで、言っておきたい。
「米国第一」ではないアメリカ大統領などかつてあったであろうか。
また、自由や民主主義を高々と掲げるアメリカ大統領ほど危険な大統領はない。

ドナルド・トランプ氏は、従来のアメリカ大統領の例から見れば、利口に見えず異質
である。
しかし、嘘つきではなく率直である。
そして、その彼をアメリカ国民が大統領に選んだということだ。

彼の大統領就任演説を批判していた我が国の外交評論家やマスコミは、
アメリカ国内の地殻変動を理解できずに、
ヒラリー・クリントン氏が大統領に当選すると盲信し、
ドナルド・トランプ氏への批判的な論評ばかりを流し続けていた。
そして、彼らの予想とは反対のトランプ当選の結果に直面して、
自分たちの無能さが露呈しても、
その不明を反省せずに、トランプ批判を続けているという訳だ。
では、かく言う私が、
何故、トランプ当選を予想していたのか。
それは、簡単だ。外交専門家とマスコミの予想が、
予備選挙でことごとく外れていたから、
本選挙でも彼らの予想と反対の結果が出ると確信したからだ、
と正直に言っておく。

 ところで、我が国のマスコミは、
何故、トランプ大統領が「米国第一」を打ち出したことに過剰反応するのか。
それは、戦後の我が国の骨の髄まで染み込んだ「アメリカ依存」という病状の為せる
結果だ。
戦後の我が国は、
外交や国防はもちろん、教育や産業政策という内政にいたるまでアメリカの指示を受
けてきた。
そして、「自由貿易」を振りかざしたアメリカは、
郷に入って郷に従おうとせず、我が国の慣例や、
こともあろうに我々の言語である日本語までも
「非関税障壁」とみなして「撤廃」を要求してきた。
さらに、我が国の銀行が、我が産業の強さの要であると見抜くや、
ビス規制を掲げて我が国の銀行の弱体化を図った。
郵政民営化も実はアメリカのシナリオだ。
これら総て、アメリカのウォール街を本拠地として、
歴代アメリカ大統領を使って国境を越えたマネーゲームを仕掛け、
世界の富を吸収しようとする多国籍巨大企業の為せる所業である。
そのアメリカで、
マネーゲーマーの喜ぶTPPを目の敵にした大統領が出現し、
正直に「アメリカ第一」を掲げTPPからの離脱を表明した。
これは、歓迎すべきことではないか。
我が国が、国防においても外交においても、
独自の力を蓄える絶好のチャンスの到来と受け止めるべきだ。

 そもそも国家間の同盟関係は、
対等でなければ成り立たないのであるから、
トランプ大統領の就任は日米共同してお互いの国の安泰を確保する道を開くことであ
る。

 何故なら、
 もはや「戦後」ではない、
 すでに「戦前」である、
 からである。

 現在、世界経済(即ちアメリカ経済と日本経済)を支える大動脈は何処の海域を
通っているのか。
それは、アジアの海ではないか。
また、アメリカのワシントンとニューヨークに直接届く
SLBM(潜水艦発射弾道ミサイル)は何処の海域から発射されるのか。
それは、北のオホーツク海と南の西太平洋である。
これ総て、我が国の周辺海域ではないか。
よって、アメリカの大統領にして「アメリカ第一」を掲げるならば、
痴呆でない限り(かつてルーピーと呼ばれた我が首相のように)、
我が国との共同がなければアメリカの安全と生存が確保できないことを知るであろ
う。
安倍総理は、早急にトランプ大統領と会談すると表明しているが、
トランプ大統領に知らしめるべきことの第一は、
アジアの海にアメリカの生存がかかっているということである。

さて、冒頭に、
自由や民主主義を高々と掲げるアメリカ大統領ほど危険だと述べたので、
その最たる者を掲げておく。
それはF・D・ルーズベルト大統領である。
この大統領は、アメリカ政治の表面の綺麗事の背後に隠された
非情な謀略・ダークサイドの最たる巨魁と言うべきである
(ヒラリー氏もこのダークサイドの住民だ)。

F・ルーズベルトはイギリスのチャーチル首相と
1941年8月14日、「戦争の謀議」を済ませ、
日本にまずアメリカを攻撃させ、
それを切っ掛けに欧州戦線にアメリカが参戦するという世紀の謀略を仕組んだ。
即ち、Back Door To The War(裏口からの戦争)である。
そのBack Door(裏口)とは真珠湾である。

安倍総理は、昨年の暮れ、
我が帝国海軍機動部隊が奇襲攻撃をしたハワイの真珠湾を訪れ戦没将兵を慰霊した。
その時、日本の首相なら次の認識をもって慰霊しなければならない。
真珠湾は、F・ルーズベルト大統領の謀略によって、
本来戦わなくてもよかった日米両国の青年が血を流し合った地である、と。

最後に言う、
トランプという男が、アメリカ大統領になった。
そして、もはや「戦後」ではなく、
「戦前」である。
よって、
安倍総理、
アメリカ大統領が「アメリカ第一」なら、
日本首相は「日本第一」だ。
日本の首相は、日本の英霊に誠を捧げるのは当たり前ではないか。
よって、
昨年暮れに真珠湾の勇士に会ったのであるから、
「戦前」という新時代に入った本年こそ、
靖国神社に内閣総理大臣として参拝されよ。