に中国のSNS「微博」に「客室に置いてある本に南京大虐殺を否定する内容などが載っている」と
する動画を投稿し、瞬く間に広がった。
中国外務省報道官は1月17日、「日本国内の一部勢力は歴史を正視しようとしない」と批判し、
また、中国の国営新華社通信はその翌日(1月18日)、「女性を含む複数の記者を東京新宿区のア
パホテルに派遣して“潜入取材”を行い、『実地調査、怒りの上にまた怒り』と題する映像ニュー
スを配信した」(産経新聞)と報じられている。
客室に設置している『本当の日本の歴史 理論近現代史』について、アパグループは1月17日に
ニュースリリースを発表、「代表の元谷外志雄(もとや・としお)氏が『藤誠志』のペンネームで
月刊誌『Apple Town』に連載している社会時評エッセイを1年分まとめたものに、まえがきとして
解説を付して制作したもので、日本語の他に、英語訳も付いています」と説明しつつ、この本に記
載している南京大虐殺に関する見解を掲載、「異なる立場の方から批判されたことを以って、本書
籍を客室から撤去することは考えておりません。日本には言論の自由が保証されており、一方的な
圧力によって主張を撤回するようなことは許されてはならないと考えます」と表明している。下記
にそのニュースリリースを紹介したい。
それにもかかわらず、来月開幕する札幌冬季アジア大会の組織委員会は、選手・役員が宿泊する
「アパホテル&リゾート札幌」に「政治、文化などによる差別、偏見のないよう協力を」と口頭で
伝えて本の撤去などの対応を打診したという。
これらの動きに、1月19日放送の「ミヤネ屋」で司会をつとめる宮根誠司氏は、中国政府の反応
に違和感を表明しつつ「イヤだったら泊まらなければいい」と言ったと報じられている。然り、で
ある。嫌だったら泊まらなければいいだけの話だ。
歴史教科書問題では中国から何度も圧力をこうむってきた「新しい歴史教科書をつくる会」(高
池勝彦会長)も昨日、緊急抗議声明を発表し、聖書を客室に置いてきたホテル業界の慣行を取り上
げて「長年にわたって特定の宗教に特権的な便宜を与えてきた日本のホテル業界の慣行も非難しな
ければならなくなる」と述べ、「客が気にするなら他のホテルを選べばよいだけの話」とも釘を刺
した。
そして「このような筋の通らない要求はつっぱねてしまうこと、これが結果として一番効果的な
対応である」として、批判された書籍を撤去しないと表明したアパグループの姿勢を支持してい
る。下記に抗議声明の全文をご紹介したい。
本日のトランプ大統領の就任式に対しても、中国政府は台湾が派遣する代表団の就任式への参加
を認めないよう米国に要求して圧力をかけたが、アパホテルと同様に理不尽な要求であり、内政干
渉以外のなにものでもない。
◆客室設置の書籍について【アパグループホームページ:1月17日「ニュースリリース」】
https://www.apa.co.jp/newsrelease/8325
◆新しい歴史教科書をつくる会ホームページ
http://www.tsukurukai.com/
「南京事件」の民間言論に介入した中国政府への緊急抗議声明
平成29年1月19日
新しい歴史教科書をつくる会
中国外務省報道官は1月17日、日本のアパホテルが、いわゆる「南京大虐殺」を否定する書籍を
客室に備え付けていたことについて、「日本国内の一部勢力は歴史を正視しようとしない」と批判
し、「正しい歴史観を国民に教育し、実際の行動でアジアの隣国の信頼を得るよう促す」とのべ
た。
これは、日本の一民間企業の思想信条や言論について、他国の政府がそれに口を出し命令口調で
批判するという、あってはならない異常事態を意味するものである。「言論の自由」「思想信条の
自由」が全く保障されない共産党一党独裁国家中国の未熟な社会規範を日本に押しつけようとする
ものでもある。我々はこうした介入を行った中国政府の暴挙に厳重に抗議する。
事の発端は、中国人男性とアメリカ人女性が当ホテルを使用した際、部屋にあった件の書籍をイ
ンターネットで批判的に取り上げたことだった。これが中国のネットに火を点け、中国人投稿者が
「アパグループボイコット運動」を開始。投稿は2日間で7700万件にのぼったといわれている。中
国共産党の大会を前に、愛国運動で国民を統一させるための材料に、この件が使われたとする観方
もある。
今回のアパホテルの件は、いかなる法にも抵触するものではない。そんなことを言えば、長年に
わたって特定の宗教に特権的な便宜を与えてきた日本のホテル業界の慣行も非難しなければならな
くなるが、かつてそのようなことを言い出した者はなく、今後も問題にすべきではない。それと同
じ事である。客が気にするなら他のホテルを選べばよいだけの話である。
当のホテル側は、国内外の批判に対し、「本を撤去しない」としたが、当然であろう。中国から
の「言いがかり」にすぎないものを真に受けて引き下がれば、後々の悪しき前例になりかねない。
このような筋の通らない要求はつっぱねてしまうこと、これが結果として一番効果的な対応であ
る。
そもそも、問題となった「南京事件」は、多くの学者などによる研究で完全な捏造であったこと
は今や明らかだ。平成20年5月5日には「南京事件の真実を検証する会」が、中国・胡錦濤国家主席
(当時)に 対し、南京事件に関する5項目の「公開質問状」を発している。しかし、それについて
未だに中国からの返答がない。今回の件で中国外務省が批判コメントを出しているが、そんなこと
より、8年間以上も放置し続けている「公開質問状」への返答をするよう、この際改めて要求す
る。(以上)
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