福岡・太宰府ではぐれた台湾人観光客、日本女性に助けられ感謝
【中央通信社:2013年10月12日】
(苗栗 12日 中央社)台湾北部・苗栗県出身の女性が日本ツアーに参加し、10日、帰国
前最後の日に観光地で1人はぐれてしまった。ひとり異国で焦っている時、親切な日本の女
性が救いの手を伸ばしてくれてツアーのメンバーと合流することができ、女性は無事帰国
の飛行機に間に合った。この台湾女性は日本女性に対する感謝の気持ちでいっぱいで、「本
当に運がよかった。助けてくださった方には心から感謝している」と語っている。
苗栗・竹南の女性(許(きょ)さん)は母親と2歳の息子を連れ日本の九州をめぐる4泊5
日のツアーに参加、10日、福岡県の太宰府天満宮を訪れた際、参道の商店街を回っていて
つい夢中になってしまい、気がつくと母も息子も姿はなくその他のメンバーもいなかった。
遠くの駐車場に見えた黄色いバスまでようやくたどり着いたが違うバスで、自分が家族や
他のツアー客とはぐれてしまったことに気がついた。
太宰府観光のあと残すは福岡空港からの帰国となっていて、許さんは自分1人のためにツ
アー全員に迷惑がかかることが気になったがどうしようもなく困っていた。そこに駐車場
の料金所の婦人が親切に声をかけてくれ、互いに言葉は通じなかったが、許さんが緊急連
絡先の書かれたカードを示して、やっとガイドと連絡が取れた。
婦人は許さんにあまり時間がないことを知ると自ら車を運転、彼女をツアーが待ってい
る場所まで乗せた。到着後、彼女はお礼に車代を渡そうとしたが婦人はガイドを通して「東
日本大震災で台湾の人々が日本を助けてくれたことをありがたく思っています」と断り、
時間も迫っていたため2人は慌ただしく別れの挨拶をすませた。許さんはあまりにも慌てて
いて知っているはずの日本語の一言、「ありがとう」さえ思い出せず、感謝の余りひたす
らお辞儀するばかりだったが、婦人は笑顔を絶やさず慰めてくれたという。
今回は許さんにとって初めての日本旅行だったが、現地の親切な婦人の協力で無事に台
湾に戻ることができ、日本人に対しては「優しく礼儀正しく温かい」との印象を強くした
という。残念なのは婦人といっしょに写真を撮ることはもちろん連絡先さえ聞いておかな
かったことで、それでもいつかまた日本に行ってきちんとお礼を言うことができればと望
んでいるという。
(編集:谷口一康)