「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」より転載
9月18日は「柳条湖事変から79年」、北京の日本大使館で反日デモ催行?
中核組織は「デモを組織していない。日本マスコミの捏造」と奇妙な声明
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2010年9月17日午前11時、ニューヨークの日本領事館前に在米中国人の反日グループが押しかけ、「釣魚島は中国領」「船長をすぐに釈放せよ」などと書いたプラカードを掲げて気勢をあげた。
釣魚島とは尖閣諸島をしめす。
参加したのはいずれも反日ごっこ大好きな常連メンバー。「NY保釣連合会」「華人社団連合会」「米東海岸華人団連合総会」など。『多維新聞網』(18日付け)によれば集まったのは300名というが、写真をみる限り百名ほど。
かれらは印刷されたプラカードに小さな五星紅旗を持ち、赤字に白抜きで「釣魚島は中国の領土だ」と書かれた横断幕、用意された舞台装置の半分は英語、半分が漢字で書かれており、全米マスコミと在米華字紙あいての示威活動と推察される。
反日グループはマスコミが写真を撮りおわると、一時間で引き上げた。
本日(9月18日)は北京の日本大使館で反日デモが催行される予定だが、どれほどの規模になるか。
中国内の幾つかのネットでは反日論調が花盛り、また日本の警察庁と防衛庁のホームページが「中国紅客連盟」などのハッカー集団から攻撃を受けた事実も判明している。
ところが。
反日の中核的存在である『中国民間保釣連合会』は奇妙な声明をだした。
▲なぜか反日中国人が“反日『朝日新聞』”を罵倒
「われわれはデモを予定していない。18日の柳条湖事変にかこつけて反日デモを行うことはないが、この情報を捏造したのは日本の朝日新聞であり、目的は中国の安定をそこなう日本政府の指図だ。われわれは名誉を損なわれたので、朝日新聞に百万人民元の賠償を要求する」という内容。
どうやら公安筋からデモを止められ、『社会の安定』を攪乱するのは日本政府の陰謀という物語に、方向を変えた形跡がありありとしている。
同団体は8日に北京の日本大使館前で「釣魚島は中国の領土」「あの島を日本が軍事占領しているが、すぐに日本の海保は撤退せよ」「船長を即時無条件釈放せよ」などと訴えて気勢をあげた。
また前原大臣が訪中して斡旋した、中国からの一万人の団体の訪日ツアーは突如中止になり、浜名湖などのホテルが悲鳴をあげたそうな。