(転送転載歓迎)
台湾研究フォーラム事務局長 古市 利雄
ウイグルの情勢は死者が100人を超すという、まさに惨状を極める事態
となっています。
しかしそれにもかかわらず、「明日のウイグル」に陥りかねない台湾の
政府から、ほとんど声が上がっていないことに苛立ちを覚えています。
イリハム・マハムティ氏(日本ウイグル協会会長、世界ウイグル会議日本
代表)は連日テレビに出演し、日本人へウイグルの現状を知ってもらおうと
メッセージを投げかけ、その思いは画面を通じ痛いほどに伝わってきていま
す。
イリハム氏は、林建良本誌編集長とともに『中国の狙いは民族絶滅――チ
ベット・ウイグル・モンゴル・台湾、自由への戦い』という本を出しており、
今回の悲劇の起因となった、ウイグル人を絶望の淵へと追い込んだ中国の民
族政策について綴っています。
1959年のチベット蜂起、1989年の天安門事件のように、中国では9で終わ
る年に大事件が起こるという「9年ジンクス」が、まことしやかにささやか
れていましたが、まさに今回ウイグルで起こった惨劇がそうだったかもしれ
ません。
日本人はすでにあいまいな回答は許されない、アクションを起こさなけれ
ばいけないときが来ているのではないでしょうか。
NHKの問題を契機として、日本に何か地殻変動のようなものが起こって
いると私は信じています。
弾圧を受け続けるアジアの諸民族のために、日本がすべきこと、それを指
し示す一書ではないかと思われます。
『中国の狙いは民族絶滅
――チベット・ウイグル・モンゴル・台湾、自由への戦い』
(まどか出版 http://www.madokabooks.com/)
◎著者プロフィール
テンジン
チベット・アムド生まれ。高校生のときに亡命を決意。ネパール国境を越え
、インド・ダラムサラへ。現地で日本人女性と結婚し、2000年に来日。その
後、就職。チベットの人権問解決のために尽力している。
イリハム・マハムティ
1969年、東トルキスタン・クムル生まれ。1991年、中国・西北師範大学中国
語文学部中退。2001年、来日。2008年、世界ウイグル会議日本代表に就任。
ウイグルの人権問題解決に向けた活動を始める。
ダシ・ドノロブ
1964年、南モンゴル・フフホト生まれ。1989年、中国・東北師範大学外国語
学部卒業。1997年、来日。2004年からインターネット上で数々の文章を発表
し、中国政府の対南モンゴル政策を批判。現在、亜細亜大学法学部非常勤講
師。
林建良(りん・けんりょう)
1958年、台湾・台中生まれ。1987年、交流協会奨学生として来日。東京大学
医学部博士課程修了。台湾団結連盟日本代表、メールマガジン「台湾の声」
編集長、日本李登輝友の会常務理事。著書に『日本よ、こんな中国とつきあ
えるか?』(並木書房)がある。
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【参加を】中国のジェノサイドに抗議を 12日渋谷デモ
日本ウイグル協会の抗議行動
7月12日「中国政府によるウイグル人虐殺抗議デモ」
[集合場所]宮下公園(東京都渋谷区神宮前6丁目)
[日時]
2009年7月12日(日)
15:00 集合開始
15:30 集会
16:15 デモ行進
16:45 解散
宮下公園→電力館→渋谷区役所→神南→渋谷駅前→宮益坂下→宮下公園
主催 日本ウイグル協会
※詳細は決まり次第更新していきますので、しばらくお待ちください。
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世界ウイグル会議「東トルキスタンで発生した虐殺事件に関する声明」
中国共産党政府がウイグル人に対して行ってきた民族的差別や抑圧、そして同化政策などの結果、ウイグル地区から沿岸部の広東省のおもちゃ工場に強制移送されてきたウイグル人たちは同工場の漢民族従業員たちにより虐殺される事件が発生した。この事件で60名近くのウイグル人が殺され、100名を超えるウイグル人が重傷などを負った。
そして今日7月5日、広東省で発生した悲惨な虐殺事件、そして長く続いてきたウイグル人に対する民族的虐殺に抗議するため、ウイグル民族がウルムチの中心地4か所に集まり計1万人が参加し、平和的なデモで自らの不満を表した。しかしこのデモは多数の警察、軍や車両の出動で武力的鎮圧を受けた。
世界ウイグル会議が直接現地から入手した情報によると、この武力鎮圧で死亡した人は100人を超え、多数が負傷した。この中で幼い子供や女性もいた。
酷いのは、ウルムチの人民広場、南門、ラビヤ・カーディルデパートの前、延安路、陶器工場前などのいずれのデモ場所も一律悲惨な虐殺を受けた。軍の車両下で踏み殺された。軍・警察の銃で殺された。暴力で殺された・・・・・
我々の把握した情報では、すでに逮捕された人は1500人を超える。全ウイグル地区ですでに軍事態勢が敷かれている。一方、ウイグルのアクス県でも7月5日の夜からデモが始まっていることが分かった。カシュガルで起こっているデモについてはまだはっきりとした情報を入手していない。
世界ウイグル会議としては、全世界の民主主義国家や国民、人権団体などがこの事件に緊急な対応を取り、ウイグルで中国軍や警察などに虐殺されているウイグル民族を助けるよう促す。国連やNATOなどが関与し、検察団を派遣し、平和秩序を守り、冷静に対応し、今でも虐殺が続いているウイグル民族を一刻も早く鎮圧軍から守るよう呼び掛ける。
2009年7月6日
※翻訳 イリハム・マハムティ