【ニュース】台北故宮博物院に孫文銅像が復活へ

【ニュース】台北故宮博物院に孫文銅像が復活へ

2009.01.29
            「台湾の声」

 中国国民党政権が国共内戦に敗れ、台湾に逃れる際に、北京故宮から持ち出し
た収蔵品を展示する台北故宮博物院の周功鑫院長は、1月28日付の「朝日
新聞」のインタビューの中で、今年10月に中国北京の故宮博物院から収蔵品を借
りて台北故宮博物院で特別展を行う計画を明らかにした。

 周院長はインタビューの中で、民主進歩党(民進党)政権時代に台北故宮博物
院内にあった中華民国の国父とされる孫文の銅像を撤去したことに対して、「孫
文の銅像は故宮の象徴。今年3月12日の命日にあわせて復旧したい」と述べ、故
宮と何ら関係ない孫文銅像を復活させる意向を明らかにした。

 周院長は民進党政権が故宮博物院を「アジアの故宮」と位置づけたことについ
て、「民進党は文化の精髄や精神を理解していなかった。故宮にある歴代皇帝コ
レクションは中華そのもの」と批判し、「故宮がなければ台湾の中華文化は根っ
このないものになっただろう」と持論を展開したが、国民党の中華文化の押し付
けが台湾文化のオリジナリティーを抑圧した過去の歴史には触れなかった。

 台北故宮博物院で展示されている収蔵品は大陸中国のものであり、そもそも台
湾とは関係がない。中国皇帝の宝物を展示した台北故宮博物院は台湾にとって大
きな観光収入源であるが、台中関係正常化の一環として、そろそろ中国への返還
も議論されてよい頃ではないか。


投稿日

カテゴリー:

投稿者: