訪日から帰台した李登輝(リー・ティンフイ )前総統に産経新聞の河崎真澄支
局長がインタビューし、その記事が1月13日付で掲載されています。李氏は、日本
でのメッセージでも述べたように、今回の訪日について「静かで強い関係を作り
上げられたら成功だ」と繰り返して述べています。
Q 日本政府は今回の李氏への入国査証(ビザ)発給で、意志を強く示せば中国
の圧力に対抗し得ることを経験した。
A その通りだ。中国は李登輝訪日にあれだけのことをやったが全然効果が上が
らない。逆に(中国の反発は)国際的な笑いものになるだけだ。(外交関係の
ない)日台は大声上げてやる必要はない。耐え忍んで、できるだけ声を小さく
する。静かで強い(水面下で実質的な)関係を作り上げられたら訪日は成功だ。
その後、19日、今度は毎日新聞がインタビューし、去る1月15日に満82歳を迎
えられた李氏は、心臓の持病を抱えつつも、日台関係のバロメーターとは「李登
輝訪日」と断言し、また、再訪日について「体調が良ければ夏にも行きたい」と
表明しています。
日本李登輝友の会の目的の二番目に「李登輝前台湾総統の来日を関係各所に働
きかけ、念願の『奥の細道』散策を実現する」ことを掲げています。
しかし、日本李登輝友の会が政府へ要望したことと異なり、普通にビザを発給
したものの、日本政府は(1)記者会見しない(2)講演しない(3)政治家と
会わない、という条件を付けましたし、「奥の細道」も散策されていませんので
、次回は(1)無条件でのビザ発給、(2)奥の細道散策、を実現すべく力を尽
くしたいと思います。 (編集部)
<李登輝前総統>芭蕉足跡たどる旅 今夏再訪日の意向
【毎日新聞 1月20日】
【台北・庄司哲也】台湾の李登輝前総統(82)は19日、台北市内の個人事務所
で毎日新聞などと会見し、松尾芭蕉の「奥の細道」の足跡をたどるため、早けれ
ば今夏にも再訪日したいとの意向を明らかにした。さらに「李登輝訪日が日台関
係のバロメーターだ」と述べ、日本政府が李氏への査証(ビザ)発給を再び認め
ることに期待を示した。
李氏は「旅行をしながら詩をよみ、私自身の『奥の細道』を作り、日本人の心
のうちを紹介したい。体調が良ければ夏にも行きたい」と語った。さらに昨年末
から今年初めにかけての訪日について「日台間には外交関係はないが、文化、経
済や訪問などの交流で静かなきずなを作れば、それがやがて強いきずなにつなが
っていく」と意義を改めて強調、日本政府の対応に謝意を示した。