開業を目前に、日本の新幹線技術が初めて海外に輸出された台湾版新幹線の話題が先行
しがちだが、台湾の在来線にも日本の鉄道技術は輸出されている。それが台北から宜蘭・
花蓮を往復する台湾鉄道の振り子列車「太魯閣号」(たろこごう)だ。
すでに12月31日に試運転を開始し、2月の旧正月期間中に増便列車として運行に加わる予
定だそうだ。将来的には彰化から出発し、台中、台北を経由して花蓮を往復する直行列車
も運行する計画しているという。台湾は西部ばかりではない。いかにも台湾らしい風光明
媚な東部もお忘れなく。「Radio Taiwan International」のニュースから紹介したい。
(編集部)
台湾鉄道の振り子列車・太魯閣号、12月31日から試運転
【1月3日付 Radio Taiwan International】
日本の日立重工が製造を請け負った台湾鉄道の振り子列車「太魯閣号」が、12月31日か
ら試運転している。31日午前、「太魯閣号」は初めて台北駅のプラットホームでメディア
に公開された。5日に予定されている、台湾高速鉄道の開業に対応するため、台湾鉄道は月
曜日から木曜日までのウイークデーに西部幹線で乗車料金の割引(3割引)を実施すること
を計画していると共に、東部幹線でサービスの品質の向上と列車の走行時間の短縮にも努
めている。
台湾鉄道管理局の張應輝・主任秘書によると、一般の列車がカーブを通過する際、スピ
ードを落とす必要がある。振り子列車の最大の特色はカーブを通過する際、一般の列車よ
り時速を15キロメートルから25キロメートル速めることができる。このような優位性は台
北から花蓮までの東部幹線で特に目立つようになる。これこそ、台湾鉄道の優勢だという。
振り子列車「太魯閣号」の外観は台湾新幹線の列車とあまり変わらず、内装も新幹線と
いい勝負。身体障害者専用の座席とお手洗いが完備しているほか、どの座席にもライトと
小さなテーブルがついている。
台湾鉄道によると、「太魯閣号」の乗車料金は現在、台湾で最も速い列車「自強号」と
同じレベルで、台北から花蓮までは台湾元445元。将来的には彰化から出発し、台中、台北
を経由して花蓮を往復する直行列車も運行する計画。
台湾鉄道が日本から購入した振り子列車「太魯閣号」の第一陣三編成24両はすでに台湾
に到着し、2007年2月の旧正月期間中に増便列車として台湾鉄道の運行に加わる予定。第二
陣24両は今年10月に台湾に到着する。「太魯閣号」が正式に運行に加わると、台北から宜
蘭までの間、一駅しか停車しないことから、所要時間は現在の1時間36分から1時間16分に
短縮することができ、台北から花蓮までは三つの駅しか停車しないことから、所要時間は
現在の2時間45分から1時間55分に短縮することができるという。