【5月15日 産経新聞】
【台北=長谷川周人】中国・四川大地震を受け、台湾の対中国政策を管轄する行政院
(内閣)大陸委員会の陳明通主任委員は14日、台北市内で臨時の記者会見を行い、被災
地に計20億台湾元(約68億円)の緊急支援を行うと発表した。陳水扁現政権は中台の直
行便を基本的に認めていないが、人道的な見地に立って15日、貨物便2機を台北・桃園
国際空港から被災地に近い四川省の成都空港まで、直行を臨時許可する。
今月20日の政権交代を控え、馬英九次期総統は13日、個人として20万元を被災地に寄
付すると発表。厳しい対中姿勢を取る陳政権に対中支援を呼びかけてきたが、現地では
台湾人2人の死亡も確認される中、政権としても政治決断に踏み切ったとみられる。陳
主任委員によると、支援は2段階に分け、第1段階で米2000トンと現金7億元を支援。
第2段階では公務員の1日分の給与2億元と民間から10億元分の寄付金を募り、計12億
元を送る方針だ。