【12月12日 産経新聞】
【台北=長谷川周人】来年3月の台湾次期総統選で、与党・民進党の総統候補となった
謝長廷元行政院長(首相)は11日、台北市内で訪台中の論説委員ら邦人記者団と懇談し、
「私の哲学は『共生』。総統になれば、知恵を絞って中国との対話実現に努力し、和平
維持を目指す」と述べ、「台湾の尊厳と独立の現状」の維持を前提に中台両岸関係の改
善に意欲を示した。
今年10月に2期目に入った中国の胡錦濤政権について謝氏は、「これまでの中国は強
者として妥協をする自信がなかった。(世代交代が進んだ)新しいリーダーは、育った
環境も違い、弱者に妥協する中国に変わりうる」と期待感を表明。胡氏自身については
「穏やかでマイルドな印象を持つが、民主化の経験が少なく、台湾への理解が不足して
いる」と評した。
一方、選挙戦での出遅れが指摘されるが、謝氏は「策略が(国民党とは)違う。最後
は勝つ」と自信を見せ、「共生の旅」と位置付けた今月16日からの訪日では、当選を念
頭に、日台関係を法的に担保する新たな政治的枠組みの構築を日本に求めていく考えを
確認。日本との自由貿易協定(FTA)の締結を目指す考えを改めて表明した。