全権大使の馮寄台氏が任命され、9月27日に日本に着任した。
「台湾週報」によれば、昨日午前、駐日代表処で公務引継ぎ式が行われ、馮代表は羅
坤燦副代表とともに交流協会を表敬訪問して代表としての活動を始めた。
下記に着任の挨拶と略歴を「台湾週報」からご紹介したい。 (編集部)
馮寄台代表着任のご挨拶
【9月29日 台湾週報】
馮寄台・台北駐日経済代表処代表は9月27日、成田空港到着時に畠中篤・交流協会理
事長、駐日代表処関係者および日本在住華僑らによる熱烈な歓迎を受けるなか、駐日代
表着任の挨拶を発表した。以下はその着任挨拶の全文である。
〇 〇 〇
私は政府から中華民国の駐日代表として任命され、内心では戦々恐々としているので
すが、全力で取り組んでまいります。事実、私にとって日本はまったく知らない土地で
はありません。私の父は中華民国の元駐日外交官であり、その関係で私は幼い頃に港区
の小学校と渋谷の近くの中学校に通いました。私は日本で学び、野球に打ち込んでいた
あの頃が非常に懐かしく、小さかった頃の日本での生活の情景が今も目に浮かんできま
す。今後、時間を見つけて思い出の地を再訪し、昔のことを振り返ってみたいと考えて
います。
私は外交部に25年間務め、長く米国や中南米の国々に派遣されていたので、英語やス
ペイン語を用いることが多く、日本語を忘れかけていましたが、いま必死に復習をはじ
め日本語を思い出しているところです。
50年前の私の幼い頃に見た日本と現在の日本は大きく違います。日本はすでに国際的
に重要な位置を占める経済大国となりました。日本は中華民国にとって第2番目の貿易
パートナーであり、馬英九総統は日本との関係を非常に重視しています。両国間は歴史
的に見ても、地縁関係から言っても、密接不可分の関係であり、歴代駐日代表の努力お
よび華僑界の先輩方の協力の下、台日間はすでにきわめて固い友好の基礎が構築されて
います。
中華民国と日本は、民主主義、自由の国家という共通の価値観を持っています。それ
以外にも、日本が過去に台湾で建設を行った施設があり、例えば八田與一技師が設計し
た烏山頭ダムと嘉南大[土川]は、今も台湾南部の農民に恩恵をもたらしていることか
ら、多くの台湾の人々が日本に対して「親近感」を持っています。私は日本に赴任する
前に、日本交流協会の斎藤正樹・駐台代表と共に烏山頭ダムと嘉南大[土川]を訪れ、
八田與一氏の貢献に深く敬服しました。
今後、私は両国の架け橋となって、両国間の相互信頼体制の構築と各方面の交流を拡
大し、特に青少年の交流を進めることで、両国の厚い伝統的友情の根をさらに深くし、
両国の協力がさらに密接になるよう努力してまいります。
最後に、メディアの皆様方および華僑界の先輩方が引き続き、私および駐日代表処に
対してご指導、ご鞭撻を賜りますようお願い申し上げます。
【台北駐日経済文化代表処 2008年9月27日】
馮寄台・駐日代表略歴
【9月29日 台湾週報】
9月27日に台北駐日経済文化代表処代表に着任した馮寄台(ひょうきたい)氏のプロ
フィールは以下の通りです。
馮 寄台(ひょう きたい)
1946年生まれ
出生地:台湾高雄
家 族:顔希君(妻)
2男1女
【学歴】
1959 日本 東京都港区立笄(こうがい)小学校卒業
1960 日本 東京都港区立高陵中学校を転校
1963 台北市立建国中学卒業
1968 ボリビア、ラパス市 インスティテュート・アメリカーノ高等学校卒業
1971 米国 メイビル州立大学 数学学士
1973 米国 ノースダコタ州立大学 国際関係学修士
1987 米国 ハーバード大学 公共行政学修士
【経歴】
1974〜1976 外交部北米司(局)事務官
1976〜1983 駐米大使館(北米事務協調会)一等書記官
1984〜1989 台北 北米事務協調会行政組(部)長
1989 英国サーチ・アンド・サーチ 駐台副総経理(副社長)
1989〜1991 中国広播(ラジオ)公司海外部部長
1989〜1993 中華民国棒球(野球)協会国際部部長(兼)
1991〜1993 中国広播(ラジオ)公司報道部長
1993〜1994 中央通訊社編集局長
1994 中央通訊社主任秘書
1994〜1997 中央日報国際部長
1996〜1997 国民党中央青年局次長(兼)
1997〜2003 外交部礼賓司(儀典局)司長
2003〜2006 ドミニカ共和国特命全権大使
2007〜2008 馬英九・蕭万長正副総統選挙本部 国際事務部長
2008(5.20)馬総統・蕭副総統就任式典総召集人(総責任者)
2008(8.28)台北駐日経済文化代表処代表
【著作】
『他比総統先到』(彼は総統よりも先に着いた)2001年、聯経出版社
『一次搞丟両個総統』(2人の総統を一時置き去る)2007年、九歌出版社
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