田有一朗(わだ・ゆういちろう)兵庫県議会議員がいます。本会理事で、兵庫県支部の支
部長代理をつとめています。
和田県議は上陸の翌日午前、本会からの祝福の電話に「運よく魚釣島のすぐ近くまで行
くことができ、海は上陸して欲しいと言わんばかりのベタ凪(なぎ)でした。ここで上陸
しなければご先祖様に申し訳ないと思い、上陸を決断しました」と、晴れやかな声で答え
ています。
この和田氏に産経新聞が単独インタビューしていますので、下記に紹介します。
なお、上陸に関していただいたお便りはほとんどが賛同のお便りでしたが、中に、本誌
がこの上陸を快挙にして壮挙として讃えたことに対し「日本李登輝友の会の会員の総意と
して充分に考えてのことか」というお便りが1通ありました。上陸許可を得ていない不法上
陸なのに、それを日本李登輝友の会のオフィシャルメルマガで褒め讃えるとは何事かとい
う「お叱り」のようです。
しかし、上陸こそしなかったものの、魚釣島沖の洋上慰霊祭にも参加された方からは
「和田県議にお聞きいただければおわかりのように、八重山警察署の対応も非常に穏便な
もので『聞き取り調査』といったものでした。巡視船の海上保安官ら、海上保安庁の現場
では歓声や万歳の声が上がったとの情報もあります」というお便りもいただいています。
実際、和田氏は産経のインタビューに「軽犯罪法違反という形式犯に問われるとして
も、日本人として、子や孫への道義的責任を果たさない罪の方が大きいと判断」して上陸
を決断し、また、神戸に帰ってからは「翌朝から駅前で演説しているが、ほとんどが好意
的な反応」とも述べています。
事実、和田氏らは軽犯罪法の罪に問われませんでした。沖縄県警八重山署から軽犯罪法
違反容疑で事情聴取を受けたものの、上陸に至る経緯や動機、島での行動を中心に話を聴
かれた程度で、調書さえ作成しなかったということです。
「島が呼んでいた。日本の領土とアピールすべきだ」 和田・兵庫県議に単独インタビュー
【MSN産経ニュース:2012年8月23日】
http://sankei.jp.msn.com/west/west_affairs/news/120823/waf12082321010024-n1.htm
写真:インタビューに答える和田有一朗・兵庫県議=23日午後、神戸市中央区(甘利慈撮影)
沖縄県・尖閣諸島の魚釣島に19日早朝、一時上陸した日本人10人のうち、兵庫県議の和
田有一朗氏(47)が23日、産経新聞の単独インタビューに応じた。「尖閣諸島が日本の領
土であることをここでアピールすべきだと決心し、船から海に飛び込んだ」などと経緯を
語るとともに、不法上陸した香港の活動家14人を強制送還したことに「国内法で処罰すべ
きだった。明確な態度を示さないから、事態がここまでエスカレートした」などと政府の
対応を批判した。(聞き手 牛島要平)
── 尖閣に向かった経緯は
「尖閣をめぐる問題に関心があり、民間団体『頑張れ日本!全国行動委員会』(田母神俊
雄会長)のツアーに参加した。ただ、上陸を予定していたわけではなく、戦時中の疎開船
遭難事件の洋上慰霊祭にとどまる予定だった」
── なぜ上陸することに
「石垣島から漁船で約9時間かけ、魚釣島から約30メートルの地点に着いてみると、島の背
後から朝日が昇り、荒れる近海では奇跡的な凪(なぎ)で、神々しさを感じた。そのと
き、『頑張れ日本!』の水島総幹事長が突然、海に飛び込み、周りの地方議員も次々飛び
込んだ」
── 許可がないことへのためらいは
「あったが、漁船の船長が『海がこんな静かなときはめったにない。島が呼んでますよ』
と言った。尖閣が日本の領土であることをアピールすべきではないかと、10人中9番目に思
い切って飛び込んだ。軽犯罪法違反という形式犯に問われるとしても、日本人として、子
や孫への道義的責任を果たさない罪の方が大きいと判断した。必死に泳いで上がると、岩
場だらけで足は血まみれ。誰かがが持ってきた国旗を掲げ、文字が消えかけた遭難者の碑
に祈りをささげた」
── 約2時間で船に戻ったが、海上保安庁や警察の対応、地元の反応は
「海保の臨検と沖縄県警の任意聴取を受けた。県警の厳しい追及はなく、調書も取られな
かった。尖閣近海では中国漁船に漁網を切られるなどの被害が多発しており、漁師からは
『よくやってくれた』と感謝された」
── 不法上陸した香港の活動家14人は強制送還されたが
「国内法で処罰すべきだった。『冷静になれ』と批判があるが、明確な態度を示さないか
ら事態がここまでエスカレートした。21日に神戸に帰り、翌朝から駅前で演説している
が、ほとんどが好意的な反応。『ありがとう』と言ってくれる人もいる。国民は政府の対
中外交がおかしいことに気づき始めている」
◇
和田氏は神戸市出身で、神戸市外大大学院修了。神戸市議などを経て、平成17年7月の兵庫
県議補選で初当選し、現在3期目(無所属)。