う。そのうえ増加傾向にあるそうだ。その理由は「台湾から近くて旅費が安い安全な先進
国で、高校生にも人気がある国。韓国に比べ、修学旅行の歴史が長く受け入れにも理解が
ある」からだそうだ。西日本新聞が伝えているので、下記に紹介したい。
7年前の調査になるが、2006(平成18)年6月にビジネス誌「遠見」(グローバルビュー)
が20歳以上の約1000人を対象に「海外についての台湾人の見方に関する世論調査」を発表、
「旅行したい国」では日本(52.7%)が断トツの1位で、2位の米国(28.2%)や3位の中国
(17.2%)を引き離していた。
では、その後はというと、交流協会台北事務所が今年3月に発表した「第4回台湾におけ
る対日世論調査」の「海外旅行するとした場合、どこへ行きたいですか?」という問いに
対して、やはり日本(38%)と答えた人がもっとも多く、2位は欧州(34%)、3位は中国
(9%)となっている。
これは20代から80代の全世代、全国1009人の平均数字だが、高校生に近い20代を見ると、
日本(54%)、欧州(24%)、中国(4%)で、若い世代は圧倒的に日本を選んでいる。
さらに、台湾の高校生たちの日本に対する関心の深さを表す数字として、第2外国語選択
率を見てみると、上位3ヵ国は1位・日本語(37,988人、69.5%)、2位・フランス語(7,276人、
13.3%)、3位・スペイン語(3,639人、6.7%)となっている。10ヵ国の言語で台湾の高校
生は日本語選択率が断トツなのだ(台湾・教育部の2011年12月発表、233校、54,658人を対
象の調査結果)。
台湾の高校生たちの90%が修学旅行先に日本を選択するという驚きの数字も、これらの
世論調査の数字と同じ傾向だと分かる。
では、日本は台湾の高校生たちの期待に応えられるのかというと、まだまだ受け入れ態
勢に問題は多いという。自治体の中には「台湾との航空定期便維持という意味でも誘致は
大切」と考えるところもあるそうだが、それは「出口」であり、結果として付いてくるも
のだ。
やはり「入口」として、日本と台湾がどういう歴史をたどってきたのかを自治体や学校
関係者がしっかり認識しなければ、台湾の高校生たちの期待には応えられないのではない
だろうか。今でも「日本はどうやって台湾・朝鮮を侵略したのか」と記す高校の歴史教科
書がある。これではとても台湾の高校生たちの受け入れ態勢が整っているとは言えまい。
台湾の修学旅行 9割が訪日 おもてなし 自治体 知恵絞る 文化や農作業…地域アピール
【西日本新聞:2013年10月21日】
◆「もっと情報を」九州に注文も
日本では明治時代に始まったという修学旅行が台湾の高校にもあり、行き先の9割が日本
であることをご存じだろうか。台湾の教育部(文部科学省に相当)が10年ほど前に補助金
制度を設けて本格化した。受け入れる日本の観光業界としては将来のリピーター客を育て
る「種まき」事業で、自治体としても国際交流や地域経済への波及効果などメリットが多
い。日本から自治体関係者らが大挙して台湾を訪れ地域の魅力を売り込むなど誘致合戦も
熱を帯びる。
(台北・横尾誠)
台湾の修学旅行は「教育旅行」と呼ばれる。日本と違うのは、募集に応じた生徒だけが
参加する点。政府の補助の条件があるので訪問先では複数の高校と交流し、農作業や文化
体験を行うことが必須となっている。日程は5泊6日程度だ。
教育部が国際的な視野を育てる目的で、日本の修学旅行を参考に推進したという事情も
あって、2012年の実績では参加した7057人のうち6251人の行き先が日本、残りが韓国。日
本行きは東日本大震災の影響で激減した11年を除くと増加傾向が続いている。
台湾から近くて旅費が安い安全な先進国で、高校生にも人気がある国。韓国に比べ、修
学旅行の歴史が長く受け入れにも理解がある、というのが強みだという。
今年も台湾に約450あるという高校のうち、185校ほどで、およそ7800人が訪日する予定だ。
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「うちは東京に行くにも便利」「田舎の農家の暮らしを体験できます」−。9月下旬、台
北市内のホテルであった訪日教育旅行現地説明会。日本からは北海道から沖縄までの自治
体や観光関係者約120人が訪台、地元の学校関係者らに地域の魅力をアピールした。
日本政府観光局(JNTO)が04年から毎年企画している会だが今年の参加者は過去最
多。九州からも6団体が訪台。福岡県庁から日本交流協会台北事務所(大使館に相当)に派
遣されている木部匡之(まさゆき)主任は「福岡県が台湾からの教育旅行向けに新たに作
成したパンフレットを使って一件でも多くの集客につなげたい」と語った。宮崎県の福留
尚仁観光推進課主査は「台湾との航空定期便維持という意味でも誘致は大切」と話していた。
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まさに誘致合戦といった趣の台北の会場で目立ったのは長野県のブースの人気ぶりだった。
同県では行政の教育・観光部門と民間業者がいち早く受け入れ態勢を確立し、交流可能
な学校の紹介や体験学習の情報提供・手配などが充実していることが大きいという。
親日的で富裕層・中間層が多く安定的な集客が見込めるという台湾からの教育旅行。J
NTOによると、台湾側で人気の高い行き先は関東、関西に次いで九州といった具合だと
いう。
教育旅行に関する台湾の高校の組織、台湾国際教育旅行連盟の薛(せつ)光豊総会長は
「九州も魅力ある街が多いけれど情報提供は不足気味。『九州はよそと何が違うのか』を
もっと知りたい。長野のように3カ月前の申し込みでも受け入れ可能といった柔軟性、そし
て交流校のあっせんが充実しているかどうかも大きい」と話していた。