李登輝元総統弁公室の王燕軍主任を代理として学生たちを訪問させ、また「馬総統は彼らの話を聞
いて、早く学校や家に帰す努力をするべき」「もし私がいま総統であれば、今度の学運の学生たち
と対話して、彼らの要求をじかに聞き取り、学運をいいように処理する」と述べるなど、馬英九総
統に学生たちの要求に耳を傾けるよう進言してきた。
また昨日は、学生たちが議場を占拠したことは違法だとして、台湾の法務部長(法務大臣に相
当)が法的責任を追及する考えを示していることに対し「『学生たちは自身の利益のために議場を
占拠したのではなく、国の未来のために行動した。これのどこが罪になるのか』と、涙を浮かべな
がら、政府側の対応の悪さと、学生らを『暴徒』と見なす馬政権を批判した」(4月9日「THE PAGE」)
という。
この李登輝元総統の発言とともに、林義雄・元民進党主席も同様の発言をしていると中央通信社
が伝えている。下記に紹介したい。
◆台湾学生ら撤退後の新たな「3つの戦場」【4月9日:THE PAGE(ザ・ページ)】
http://thepage.jp/detail/20140409-00000035-wordleaf
立法院占拠23日目 李登輝元総統「学生は暴徒ではない」
【中央通信社:2014年4月9日】
(台北 9日 中央社)中国大陸との「サービス貿易取り決め」の撤回を求める学生団体らが先月18
日から立法院(国会)の議場を占拠してきょうで23日が経過した。李登輝元総統は運動に参加して
いる学生について、暴徒とみなすべきではなく、刑事責任を追及するのは無理があるとする考えを
明らかにした。
李元総統は一連の抗議活動を、辛く大変なことだが運動が台湾に与えた影響は大きいとし、台湾
は“第2次民主改革”といえる新たな段階を迎えたと学生らの功績を評価した。
また、李政権下の1990年3月に発生した“野百合学生運動”の際、政府は参加者に対して刑事責
任を追及していないことを挙げ、一部の人が社会や国家のために立ち上がった学生を「暴徒」扱い
していることに心を痛めていると語った。
林義雄・元民進党主席は台湾の前途は決して暗闇ではないとし、熱心で誠実な討論や的確な発言
内容、台湾の民主主義や未来のために雨にも負けず街頭で活動を続けた学生などの行動を称えた。
林氏は、今は台湾民主主義の存続にとって重要な時期だとして、純粋な学生たちの今後の活動を
気にかけ、全力で台湾の民主主義を守りたいと述べた。
(劉世怡、温貴香/編集:齊藤啓介)