に投稿が掲載されたとお便りをいただきました。
投稿内容は、昨年の「日台共栄の夕べ」で講演していただいた門田隆将氏の『慟哭の海峡』を読
んでの感想で、台湾関係者なら知らない人はいない潮音寺に触れている。
文中に出てくる、潮音寺を案内いただいた「元日本兵の台湾人の方」とは、故許昭栄氏のことだ
そうです。許昭栄氏は2008年5月20日、馬英九総統就任式の当日、高雄市旗津に自ら造った「戦争
と平和記念公園」で焼身自決された方だ。
上田氏は、潮音寺は普段は鍵がかかっていて管理者に開けてもらう必要があることや遺骨を納め
たお墓はないこと、「潮音寺と共に、許昭栄さんが造られた高雄の『戦争と平和記念公園』もぜひ
旅行会社がツアーのコースに入れてほしいものです」と添書きされていました。
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戦没者が眠る台湾潮音寺 多くの人に知ってほしい
上田 真弓
本誌の書評欄でも紹介されていた門田隆将さんの『慟哭の海峡』を読んだ。この海峡とは台湾の
南のバシー海峡だ。戦時中、バシー海峡では数多くの日本船が撃沈され、10万人以上が戦死した。
当時は同じ日本人だった台湾人と朝鮮人も多数戦死した。たくさんの死体が台湾の南の海岸に流れ
てきたそうだ。
この本では、バシー海峡を12日間も漂流した末に奇跡的に助かった中嶋秀次さんが、戦死者の慰
霊のために多数の死体が流れ着いた台湾の最南端に建てた潮音寺について詳しく書かれている。中
嶋さんは一昨年に亡くなられたが、潮音寺は現地の方々によって管理されている。
私は2007年に元日本兵の台湾人の方に案内してもらい、この潮音寺を訪れた。「日本政府も台湾
政府も無関心で何もしてくれません。私たち元日本兵の台湾人が中心になって、ここで慰霊を続け
ているのです」と言って嘆いておられたことが、昨日のことのように思い出される。旅行会社がツ
アーのコースに入れるなどして、ぜひ多くの日本人が訪れて潮音寺の維持に協力してほしいと願っ
ている。