【在日台湾人のひとりごと】旅行で知って欲しい「台湾」と「中国」との違い

【在日台湾人のひとりごと】旅行で知って欲しい「台湾」と「中国」との違い

          ジョルダンニュースより。
http://news.jorudan.co.jp/mb.cgi?action=2&id=JD1359350461832

                        台湾百合 

台湾では近年、親中的と言われている馬英九・国民党政権の発足で、中国人観光客の入国が解禁となり、毎日大勢の「大陸の中国人」がやって来る。
だが文化が違う。台湾の人とは肌が合わず、戸惑ったり、眉を顰める台湾人は多い。
他方、昔からのお客さまである日本人観光客には、そういうことはない。

台湾人の親日感情は文化的親近感の表れでもある。日本人には台湾人は中国人と同文化という印象があるが、近代的な文化や価値観の面では、中国よりも日本の方にはるかに近い。だからこれからも大勢の日本人には台湾に旅行に来て欲しい。幸い東日本大震災の際、台湾人が多額の義援金を集めたので、台湾への関心や親しみを抱いた日本人が多く台湾へ足を運んでいる。そんな友情溢れるお客さまなら、きっと大歓迎されるはずだ。そしてそのような触れ合いを通じ、台湾人が日本の良い友人であることを知ってほしい。

中国人を悪く言う気はないが、台湾人も中国人だと誤解する日本人は今も少なくない。是非台湾に来てその「違い」を見て欲しい。

台湾人の自分にとっていつも残念に思うのは、日本人の台北観光のスポットの筆頭が「中国」で占められていることだ。例えば台北の故宮博物院だが、あそこで展示される芸術品の数々は全人類の遺産であり、参観の価値は充分にあるのだけれど、もともと北京にいた皇帝の宝物だ。中国の蒋介石氏が内戦で敗北して台湾へ逃れてきた時、中国の正統な権力の継承者(皇帝)の証として持ってきただけで、台湾とはもともと全然関係がない。日本の観光客が台北・故宮博物院に来て台湾は中国の一部だという誤った認識を深めてほしくない。
もう一つは中国の宮殿を思わせる「中正記念堂」だ。あの荘厳な建築は、蒋介石氏を称えるもので、同氏の国民党政権が台湾人支配を強化するために建てた個人崇拝の政治教育施設だ。中国政治文化の臭いがぷんぷんしていて、台湾人の自由で大らかな気質とは大きく乖離している、と私は思う。
台湾の本当の文化を楽しめる、中部の日月潭、南部の阿里山、東部のタロコ渓谷といった美しい景観を楽しむツアーがある。台湾ならではの美食を楽しむ機会はどのツアーでもある。また最近は「千と千尋の神隠し」で有名になった九フンといった台湾の古い街も人気だ。

国民党の独裁時代は「中国化政策」のため、台湾の歴史は抹殺され、多くの史跡も忘却されて来た。50年続いた日本統治時代の近代化の当時を偲ぶことのできる史跡も各地で見られるので、台湾と日本の歴史を見るのも良い。しかし、国民党政権の観光局は毎年、観光客の呼び込みで莫大な経費を使い、各都市で派手なイベントを行ったりするのだが、私にとっては、どうも派手なだけで薄っぺらな感じがする。観光客のためというより役人のためのイベントという印象もある。

台北101(台北にある101階の世界第二位の高層ビル)が大晦日に行うカウントダウンの花火も素晴らしい。しかし派手ではない、台湾本来の「純朴さ」を伝えることも必要なのではないか?
日本の田舎は台湾人観光客にも人気だが、台湾の田舎もいいところがたくさんある。日本からの旅行者の方には、個人旅行で各地の史跡や景勝地、温泉地などをのんびり巡ることを勧めたい。

台湾で地図やガイドブックを広げて歩いていると、現地の台湾の人たちに親切に声をかけられることがとても多い。台湾の人と心を触れあえる時間が持てる。台湾人は親切な人々だし、実際にそうした楽しい体験談を、私はこれまで何人もの日本人から聞かされている。もしも日本人のあなたが台湾への旅行をされるなら、台湾の「人」とのふれあいも大切にして欲しい、と思う。

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【台湾百合(ペンネーム)】
台湾出身の女性。現在は日本に帰化しており日本人と結婚。四児の母。台湾のことを憂え日本を憂え毎日を過ごす。

『台湾の声』 http://www.emaga.com/info/3407.html


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