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【黄文雄】じつは報復を恐れて引退できない習近平と王岐山

【黄文雄】じつは報復を恐れて引退できない習近平と王岐山

メルマガ『黄文雄の「日本人に教えたい本当の歴史、中国・韓国の真実」より転載

プロフィール:黄文雄(こう・ぶんゆう)
1938年、台湾生まれ。1964年来日。早稲田大学商学部卒業、明治大学大学院修士課程修了。『中国の没落』(台湾・前衛出版社)が大反響を呼び、評論家活動へ。著書に17万部のベストセラーとなった『日本人はなぜ中国人、韓国人とこれほどまで違うのか』(徳間書店)など多数。


車をバックさせる動画、中国で出回る 皮肉を込めて

前回のメルマガでも書きましたが、2018年3月の全人代では、「2期10年」という国家主席の任期も撤廃されることが決定しました。また、憲法改正により、憲法に「習近平思想」が記載される見込みです。毛沢東時代への逆戻りするかのような習近平の権力集中です。

この習近平の権力強化を揶揄する動画が、中国では大量に出回っているそうです。それは、軽快な音楽を流しながら車をバックさせるように誘導するもので、中国が毛沢東時代に逆戻りすることを暗示したものだといいます。

● 習近平国家主席を揶揄
車をバックさせる動画、中国で大量に出回る 

中国語では車のバックのことを「倒車」といいますが、中国版のツイッター・微博では、この言葉が検索できなくなったといいます。中国人もなかなか皮肉がきいています。

私は、習近平は前漢を乗っ取って「新」という国をつくった王莽に似ていると思っています。王莽は前漢を武力で滅ぼしたのではなく、謀略によって皇帝の座を奪いました。だから「簒奪」と言われるのですが、帝位を簒奪するにあたり、王莽は儒教の古典を利用して自らの帝位継承を正当化しました。習近平が自らを神格化していることに似ています。

また、王莽は周の時代の、儒教思想に基づく政治制度を用いて理想国家を作ろうとしました。儒教では、ユートピアは天上ではなく天下にあると考え、コスモポリタン的な考え方が強い、社会主義に近い思想なのです。だから王莽が実現しようとしていたのは、国家社会主義でした。

習近平は2017年10月の共産党大会で、建国100年の2049年までに「社会主義現代化強国」を打ち立てるとしていますが、そういうところも似ています。ただし王莽の政策は、理想と現実がうまくかみあわず、新はたった1代で滅んでしまいました。

もう一人、習近平と似ていると思うのは、袁世凱です。袁世凱は辛亥革命から中華民国の成立にかけて、四分五裂した中華の混乱を収めるためには、元首の強権しかないと考えていました。そのために帝政を復活させ、自ら帝位に就いたのです。

習近平も、これまでの集団指導体制では中国はまとまらないと考えて、自身への権力集中を進めている側面が強いと思っています。実際、冒頭の記事では、昨年10月の当大会後、習近平は共産党が結成された地の上海を訪れましたが、そこで密かに江沢民と会い、任期撤廃の意向を伝えたと報じています。

そのとき江沢民は絶対にダメだと反対したそうですが、それを押し切って、今回、国家主席の任期を撤廃したことになります。習近平の反腐敗運動や軍改革への不満が大きく、5年後に退任すれば、大きな反動で政治が混乱しかねないということが、習近平の任期撤廃の理由だとも報じています。

加えて、習近平は敵を作りすぎましたから、5年後に退任すると命すら狙われる可能性があるでしょう。今回、王岐山が国家副主席に就任する見通しですが、王岐山は反腐敗運動を主導してきましたから、引退するわけにはいかなかったのです。

党中央政治局常務委員の定年は68歳ですから、王岐山は年齢的に残れませんでした。そのかわりに副主席として、実権を握り続ける。副主席の任期も撤廃されたということで、習近平と王岐山は死ぬまで国家主席、国家副主席を続けるのではないでしょうか。

途中で権力の座から下りることは、報復を受けることになります。反腐敗運動を押し進めてきた2人が、今度は腐敗容疑で逮捕される可能性があるわけです。それを避けるためにも2人で権力の座に居続けるしかない。

王岐山は、全公職者の汚職を取り締まる「国家監察委員会」を支える役割につく可能性が高いとされています。この「国家監察委員会」は昨年の党大会で習近平が新設する方針を打ち出したものですが、規律検査委員会が党内の腐敗を取り締まるのに対して、国家監察委員会はすべての公職者を対象にしているといいます。

習近平は、汚職摘発の対象者をさらに広げて、自らの意図どおりに動かそうとしています。中国で汚職に関わったことのない者はいないですから、ある意味では、全国民が対象者になるということでもあります。

全中国人民を監視対象者にして、いつでも逮捕、拘束できるようにする。そのような恐怖政治が展開されようとしているわけです。

しかし、それが成功するかどうかはわかりません。習近平はすでに9回も暗殺未遂に遭遇しているとされています。


習近平氏 9回目の暗殺未遂にショックを受け一時入院か

習近平が皇帝になることについて、中国人、ことに反体制の人権弁護士や民主活動家たちなどは、恐れを抱いています。しかし意外にも、「早く皇帝になれ」「いいではないか」という声も少なくありません。

ことに無理やり「中華民族」にされた非漢族(少数民族とも称される)には、そう主張する人が多い。いわゆる「ほめ殺し」で、中国国内から反発が出ることを見越したものです。もう中国は峠を昇りきって、あとは下るだけの状態です。そんななかで、皇帝になるという時代錯誤によって、中国は確実に混乱と弱体化へと向かっていく。そうした期待をこめて、習近平の「皇帝化」を評価する人たちも少なくないのです。

歴史的に、独裁者の末路というのは悲惨なものです。習近平も王岐山も、自らへの憎悪を回避するためには、権力を持ち続け、さらに批判者を弾圧していくしかない。両者はそういった独裁のスパイラルに入り込んでいるのだと思います。この2人によって、再び中国は大動乱へと向かっているのです。


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