日経の反台湾印象操作「台湾、知られざる素顔」を斬る③

日経の反台湾印象操作「台湾、知られざる素顔」を斬る③

 「台湾の声」編集長 林 建良(りん けんりょう)

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3月2日の日経「台湾、知られざる素顔」
今回も「政治の理想で飯食えない」という下品な見出しを付けている。

記事は4つの部分で構想されている。

1.台湾人は金のために会社を裏切る。
2.台湾経済は中国に依存している。
3.アメリカ懐疑論。(アメリカは信用できない)
4.台湾経済が危ない。TSMCのリードは後3年しかない

日経は今回もこのように印象操作をしている。

1.台湾人は金のために会社と国を裏切る。

中国半導体大手のSMICは元TSMCの社員が作った。
TSMCを裏切って中国SMICに渡った人の話をあたかも台湾のビジネスマンの代表のように紹介する日経。また日経の書き方ではまるでTSMCがSMICを作ったかのように印象誘導しているが、実はTSMCが被害者である。SMICが不当な手法でTSMCの技術を盗んだとTSMCがSMICに対して米国で訴訟を起こした。

日経によると蔡英文総統が帰省した台湾商人に対して、
「中国との交流は台湾発展の基礎」と祝辞を送ったと書いてあるが、
蔡英文総統の実際の発言を見ると意味が違うことが分かる。
台湾と中国の交流は平和の基礎と実際話しているのに、
日経は中国との交流は台湾発展の基礎と事実を捻じ曲げて紹介。

2.台湾経済は中国に依存している。

日経では「台湾からの輸出は中国向けがいまや四割」
この書き方はまるで徐々に中国への依存が上がっているかのように聞こえる。
実際の対中貿易依存は、
2020年 43.9%
2021年 42.3%
2023年 38.8%
実際は下がりつつある。
しかも対中輸出の65%は半導体。
むしろ台湾が中国に依存しているのではなく、
中国が台湾に依存している。

また台湾に回流した企業は1244企業。
中華経済研究院の調査によると、
台湾に投資すると答えた台湾製造業は8割。
中国に投資すると答えた台湾製造業は17.4%
ここからも中国への投資が減りつつあることが分かる。

3.アメリカ懐疑論。(アメリカは信用できない)

アメリカは台湾とFTA締結をしてくれない、台湾を門前払いと日経は書くが、
2022年6月からアメリカと台湾との間で、21世紀米台貿易イニシアティブが締結されている。また2023年中に米台の新たな貿易協定BTAが結ばれる予定。

4.台湾経済が危ない。TSMCのリードは後3年しかない

日経の紹介によると、TSMCは台湾唯一の外交カード、またTSMCのリードはあと3年だけ。これを紹介したのは日経台北支局長の中村裕と台北支局記者の龍井秀明。
この二人は2022年6月に書いた記事は、TSMCに対する世界の依存度は高まり、世界は台湾を見捨てることができないと紹介。わずか8か月でまったく逆の立場になって書いている。日経記事の賞味期限はカップラーメンよりも短い。


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