日本李登輝友の会メルマガ「日台共栄」より転載
中国が今年1月に輸入を認めなかった食品の約43%が台湾からのものだったという。中国の品質
管理当局の局長が明らかにしたと報じられ、その理由は、蔡英文政権が「一つの中国」原則を支持
した「92年合意」を認めないことから、多くの分野で協力に支障が出ていると説明したという。
Record Chinaが報じているので下記に紹介するが、中国の言い分は、「92年合意」を受け入れて
いない蔡英文政権に責任があるという。
そこで思い出したのが、中国が昨年12月、韓国製の温水洗浄便座を大量に不合格処分にしたこと
だ。
韓国の1月19日付の中央日報は「中国国家質量監督検験検疫総局は昨年12月20日に輸入温水洗浄
便座の検査結果106品目の調査対象のうち不合格となった47品目のうち43品目が韓国製だった」
(「韓国製光ファイバーから温水洗浄便座まで…中国の巧妙になる『貿易障壁』」)と伝え、これ
は、中国政府が春節連休に韓国行きのチャーター便新規就航を認めなかったのに続くという。
また、中国は昨年、「韓国のドラマ、映画、芸能番組の放映とインターネットへのアップロード
を禁止し限韓令(韓流制限令)」を制定したとも伝えている。
このように、中国が「品質検査とアンチダンピング、自国文化振興など非関税障壁を通じて韓国
製品の輸入を防いでいる」という真の理由について、「中国人観光客20%縮小指針とともにTHA
AD配備にともなう報復措置」とする業界筋の見方を紹介している。THAAD配備、つまり米国
の要請で韓国が高高度防衛ミサイルシステムの配備を決定したことの報復措置ではないかという。
この記事では「空気清浄器の検査の結果、不合格製品は米国製が最も多く、カナダ製と台湾製が
順に続いた」とも伝えている。
つまり、韓国にしても米国にしても、「92年合意」には直接関りがないので、中国の品質基準情
報は伝わっていると思われるが、それでも中国は不合格にしている。
だとすれば、やはり米国と韓国はTHAAD配備、台湾は「92年合意」を認めないことで、その
報復措置として不合格にしたというのが実情であるように思えてくる。品質基準という一見公平に
見える世界で、基準値に合わないという理由で不合格にしてしまう方策を取っているのではないか
と疑わざるを得ない。
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中国が輸入不許可の食品、台湾からが最多、4割超占める―米華字メディア
【Record China:2017年3月15日】
2017年3月14日、米華字メディア・多維新聞は、中国で輸入不許可となった食品の最大の供給地
は台湾だと伝えている。
中国の品質管理当局の国家質量監督検験検疫総局の支樹平(ジー・シュウピン)局長は14日、中
国が今年1月に輸入を認めなかった食品の約43%が台湾からのものだと明らかにした。不許可と
なった輸入食品全体に占める台湾の割合は、2014年が22.06%、15年が26.02%、16年が23.7%
だという。
支局長は、台湾からの輸入食品の不許可率が高い理由について、台湾で昨年5月に発足した蔡英
文(ツァイ・インウェン)政権が、「一つの中国」原則を支持した「92年合意」を認めないこと
で、多くの分野での協力に支障が出ており、食品添加物などに関する中国の基準の情報などが台湾
側に伝わらなくなったと指摘している。(翻訳・編集/柳川)