台湾の声ニュース 2014.5.6 10:50
ヒマワリ学生運動が立法院から退去した翌日4月11日未明に起きた「公民投票護台湾聯盟」への強制排除事件への抗議で中正一分署への「通りがかり自発デモ」が起こった。そのときに、台湾大学の大学院生・洪崇晏(こう・すうあん)君が、現場でリーダー役を担い、抗議に集まった人たちが解散するように促した。その洪君が、昨日5月5日、「民主を守れ、拡声器を返せ」デモに参加して、現場を離れようとしていたところ、4名の私服警官が取り囲み、携帯電話を取り上げて、手錠をし、タクシーで「保安大隊」に連行した。洪君は私服警官らに対し、身分証明書や令状を提示するよう求めたが、提示はなかった。警官の執行について定めた「警察職権行使法」に違反した警察権の執行である。
これに対し、林飛帆君は、「これを法治と呼ぶというのならもやは国家の体(てい)をなしていない」と警察を批判した。
5月4日に、新党および国民党が「新五四運動」と称して、市民によるデモへの国家権力の行使に賛成するデモを行った。このデモには、白狼こと張安楽も参加を表明した。このデモについては、空撮写真によれば、せいぜい千人ほどの規模であるが、警察は2万人と発表したようで、50万人を11万人と警察発表があった3月30日のヒマワリ・デモとまったく違う計算方法ではないか?と疑問の声が挙がっている。
なお、立法院占拠後、台湾の内政部では、デモ活動のリーダーについて「予防的勾留」の活用を検討し、物議をかもしている。これは、犯罪行為が行われていないのに人身を拘束するという専制国家のやり方である。行政院の江宜樺院長は、公民投票護台湾聯盟の蔡丁貴代表から立法院を守るためのものであると立法院での質問に答えている。
その後の報道では、洪君は、検察によって事情を聞かれた後、釈放されたという。洪君が、逮捕されたのは、警察からの呼び出しに応じなかったためであるとされている。洪君は、呼び出し上の内容に、用件が明示されておらず、その上、警察は(自分が警察への抗議を行っているのであるから)利害関係者であるため(呼び出しに応じなかった)、検察に対してであれば呼び出しに応じて説明すると語った。弁護士の顧立雄氏は、拘束の合法性について疑問があるとした。