【読者意見】普天間基地と沖縄の海兵隊を台湾へ(三)

【読者意見】普天間基地と沖縄の海兵隊を台湾へ(三)

               日台関係正常化を求める会

4 台湾関係法と在日米国海兵隊の台湾移転 

 ところで、米国は1979年1月1日発効の台湾関係法第二条 A項
(1)にて「西太平洋における平和、安全および安定の確保に協
力」するしている。

 そして同法同条のB項(4)にて「平和手段以外によって台湾の
将来を決定しようとする試みは、ボイコット、封鎖を含むいかなる
ものであれ、西太平洋地域の平和と安全に対する脅威であり、合衆
国の重大関心事と考える。」とし、B項(5)にて「防御的な性格
の兵器を台湾に供給する。」としたうえで、B項(6)にて「台湾
人民の安全または社会、経済の制度に危害を与えるいかなる武力行
使または他の強制的な方式にも対抗しうる合衆国の能力を維持す
る。」としている。

 以上は、台湾に対する中華人民共和国の直接侵略に対しても間接
侵略に対しても米国は対抗し、そのための能力を米国は維持し、武
器の供給により台湾自体の抑止威力を高めようとするものである。

 さて、中華人民共和国の瀬戸際戦略が相手の反撃しない間隙を狙
うものであり、力の空白が瀬戸際戦略による侵略を呼び込む事は、
ヒットラーの瀬戸御輪戦略の事例を引くまでもなく明確である。

 瀬戸際戦略に対しては即応し対抗できることが抑止力である。
台湾関係法に則り、台湾への直接侵略や間接侵略を阻止し抑止する
ためには、米軍が台湾に存在することが重要であり、特に迅速柔軟
な運用が可能な海兵隊の台湾移転が効果的である。

 さらには、台湾関係法第三条のA項では、「 本法律の第二条に
定められた政策を促進するため、合衆国は、十分な自衛能力の維持
を可能ならしめるに必要な数量の防御的な器材および役務を台湾に
供与する。」と謳っており、ここでいう防衛的な役務とは軍事面で
の人的支援とみることができる。

 なお、台湾関係法大2条C項では「 本法律に含まれるいかなる
条項も、人権、特に約一千八百万人の台湾全住民の人権に対する合
衆国の利益に反してはならない。台湾のすべての人民の人権の維持
と向上が、合衆国の目標であることをここに再び宣言する。」とし
ている。
 これは、台湾防衛のためであって軍事独裁などによって台湾全住
民の人権を侵害することは許されないとともに、台湾のすべての人
民の人権の維持と向上が直接侵略や間接侵略によって侵害されるな
らば、米国は何らの対抗手段を執らざるを得ないことを示している。

 すなわち、中華人民共和国の太平洋進出と瀬戸際戦略という現実
を見るとき、米国海兵隊などの米軍の台湾駐留なくして、米国は台
湾関係法を遵守できなくなって来ているのである。

5 日米安保・米国台湾関係法のミッシングリングとして在台米国
海兵隊

 日米安保は日本のソ連や中華人民共和国による侵攻から護るとも
に、米軍の展開を支え、西太平洋沿岸からインド洋までの平和と繁
栄と民主主義を支えてきた。
 米国の台湾関係法は、中華人民共和国による台湾併呑をふせぎ、
台湾人の自由と繁栄を護ると共に、我が国のシーレーンを守ってき
た。
 ここにおいて、日本版台湾法など日台の連携が存在すれば、西太
平洋の平和は更に強固なものとなる。
 しかしながら、台湾の所属は未定であり、台湾という国家は存在
せず、中華民国は国際的に消滅しており台湾を不法占拠している武
装勢力に過ぎず、台湾という地域と台湾人は存在するものの、日台
関係を構築する台湾という主体は存在しない。
 さて、台湾に駐留した場合でも米国海兵隊は、当然ながら在日米
軍の指揮下に入るか連携する。そして、在台米国海兵隊は、台湾を
現在不法占拠している中華民国の軍と連携する。そして、在日米軍
は自衛隊と連携する。
 このことは、在台米国海兵隊の存在が擬似的な日台関係を可能に
し、日米安保と米国台湾関係法の間隙を埋めるものであることを示
している。


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