【読者反響】馬英九政権下の228記念館
王明理(台湾独立建国聯盟日本本部委員長)
昨年、私もリニューアル後の228記念館に行って、全く同じことを感じました。
全体的に、内容が薄くなった印象を持ちました。
展示物も減り、内装が変わって、以前のような迫力がなくなりました。
実例として、私の伯父、王育霖のコーナーでは、展示品が以前より少なくなり、しか
も、背後の壁が斜めにせり出す形状になっているため、正面からゆっくり眺められな
くなりました。
紹介する文言も間違って(たぶん意図的に)いたので、遺族が訂正を求めました。
そして、モニターでは、馬英九が228記念式で、過去の不幸な歴史を振り返るス
ピーチをしている場面がエンドレスで流れていました。「あの悲惨な事件は過去の国
民党が行った過ちであり、今の国民党とは関係ない」という印象を与える演出でしょ
う。
228事件は台湾人が民族意識と団結に目覚めた原点で、台湾人にとっては決して忘
れてはならない記憶ですが、それゆえに、中国人にとっては、早く風化させたい歴史
なのでしょう。
最近、「228の犠牲者は1000人程度だった」と国民党の元行政院長が述べたこと
も、その表れの一つと考えられます。
罪もない、台湾社会の将来を担う人材が3万人余りも虐殺された事実を、1000人程度
と言いくるめようとする国民党。
意図的な風化、南京事件に続く歴史の捏造がなされないよう、気をつけていかなけれ
ばなりません。