【読者の声】「中国ガンー台湾人医師の処方箋」を読んで
林建良著「中国ガンー台湾人医師の処方箋」(並木書房)
藤井信幸(日台原子力交流友の会 理事長)
林建良氏は、日本人の精神構造を分析することにおいて、第一級の分析官であるように思う。前作の「日本よ、こんな中国とつきあえるか?−台湾人医師の直言」でも、それは余すところなく発揮されていたが、今回の「中国ガン」では、更に透徹した洞察力と研ぎ澄まされた感受性によって、物事の本質を見抜く力を持ち、それが明瞭になっている。
我々日本人が中国の実情を林建良氏から学ぶ処も勿論多いが、私は日本及び日本人の生き方を教えてもらっている。それは戦後68年間、平和ボケした日本人、外的の侵入が無かったとは言え、常に中国、韓国、北朝鮮、ロシア等の近隣諸国から強請り、タカリ、脅されて来たにも拘わらず、いつも臆病で、内に篭るだけしか出来なかった日本人であった。
それはなぜだろうか?戦後日本及び日本人が一度も困難に立ち向かった経験がないからである。林建良氏は日本に来られて、まだ25年間の経験しかお持ちでないが、これまでに台湾人としての多くの困難を経験され、苦悩して来られた。だから、その体験から幾多の提言が出来るのだ。
我々日本人も進んで世界と苦楽を共にする決意を持たなければならない。何もしない方が楽だからでは済まない。これからは日本人も大いに海外に出かけて、目を開いて物事を見つめる必要がある。そのためには林建良氏の教えを忠実に学ぶ必要があると思う。