【西村真悟】政府の尖閣購入の裏にある驚くべき亡国の論理

【西村真悟】政府の尖閣購入の裏にある驚くべき亡国の論理

                 西村真悟  

 野田内閣が、突然、尖閣購入を言いだした。
 尖閣を国有地とする、ということである。
 民・民の売買の次元において、売り主の意向に頓着なく、横から突然、「私買います」と名乗りを上げて売買が成立するのはセリ・競売だけなので、この政府の手法で売買が現実に成立するかどうかは、この際横においておくとして、
 国土防衛の観点から、尖閣が国有地であるべきことに異論はない。
 しかし、この政府購入を言いだした野田内閣の裏に、驚くべき亡国の論理があることに気付くべきである。
 この野田内閣の論理。国土防衛の観点から、非常に危険だ。亡国的だ。

 現在、四月に石原慎太郎東京都知事が、都で尖閣を購入すると明言して以来、全国の国民から、その購入資金が都に献金され、現在十三億円を超えるに至っている。
 この献金額は、石原さんが言っているように、「本来、国がしなければならないのに、何もしないから、都でやる」で始まった尖閣購入を、都だけでやるのではなく「全国民が参加してやる」という国民参加の事態に発展していることを示している。
 つまり、「国民の尖閣防衛の意思の高さ」を示している。
 尖閣を断固として防衛するという「国民の決意」を示している。

 そこで、この度、尖閣は政府で購入すると野田内閣が言ったのだが、これは、石原東京都知事の購入発言を切っ掛けとして具体的に示された、
「国民の尖閣防衛の意思の高さ」と「国民の決意」に応える為になされたのか。
 それとも、それを封印する為になされたのか。
 即ち、政府の、「国土防衛の決意」のもとに為されたのか、
「国土防衛の放棄」のもとに為されたのか。
 これを見極めねばならない。

 尖閣に関して、
 ?政府の今までしてきたこと、
 ?東京都の購入計画に対する中共の非難恫喝、
 ?その中共に対応する形での野田内閣の購入発言、
 ?この購入発言が為されるまでの、北京における我が国の売国大使と中共政府との接触とその内容の東京への伝達、そして東京における中共工作員の政府・与党中枢への工作活動、
 ?政府購入発表とそれを歓迎する朝日新聞の社説(七月八日)、
 等々を総合すれば、

 明確に結論がでる。
 野田内閣の尖閣購入発言は、中共の了解のもとで為された
 中共に対する「国土防衛の放棄」の意思表明である。
 この「政府購入発言」は、石原知事の「(尖閣購入は)本来国がやるべきこと」という発言をこれ幸いと利用して、それに則った形をしているので、あたかも、石原知事の志を野田内閣が継承した如く偽装している。
 しかし、野田内閣のこの度の尖閣購入発表は、日中両政府共同の日本国民を欺く「狡知」によって為されているのだ!

 尖閣に関して、
 ?政府が今までしてきたこととは、
 中共の意向に従って、日本国民を断じて尖閣に上陸させないということである。
 平成九年五月に、石原慎太郎さんと私が、尖閣諸島に行こうとしたとき、それを阻止しようとしたのは、他ならぬ日本国政府である。
 そして、上陸視察に成功した私を非難したのは、日本国政府と与党の一部そして、その時の野党(つまり今の与党の面々)であった。
 従って、今の野田民主党内閣も、この中共の意向に沿った尖閣に日本人は近寄らせないとう基本方針は堅持しており、日本国民を敵視して、断じて日本国民を尖閣に上陸させない。
 従って、まさに現在も、先日密かに尖閣に上陸した石垣市議の仲間均さんらは、この野田内閣の意向に沿って、被疑者として海保の取り調べを受けているのである。
 現在、野田内閣は、尖閣に上陸した石垣市市議を取り調べているのである!

 ???について、
 石原知事の尖閣購入発表と、それを支援せんと多くの国民が購入資金を献金していることに関する中共の恫喝的非難と、こともあろうに、その中共に迎合する我が国の駐中国大使某の石原非難発言を思い起こしてほしい。
 ポイントは、この某売国大使を野田内閣は更迭せず未だ北京でうろちょろさせているということである。
 ということは、北京でこの売国大使は中共政府と、中共の意向に沿った打ち合わせを行うとともに、日本国内世論誘導策を協議しているということである。ひょっとしたら、某新聞の北京支局長あたりも一枚咬んでいる可能性も大だ。
 つまり、?の野田内閣の尖閣購入発表は、
 野田内閣が、この売国大使を更迭せずに北京で「仕事」をさせている中で、発表されている。
 これだけで、この野田内閣の発表は、「中共の意向」と無関係に為されたのではないことは明らかではないか。

 では、野田内閣と北京にいる売国大使は、尖閣をどうしようとしているのか。それを野田内閣に代わって先行自白しているのが朝日新聞の社説(七月八日)だ。
 もともと、朝日新聞は、
 北京の売国大使の言動と一致した石原批判をしてきた。
 はやくも四月十八日には、「尖閣買い上げ、石原発言は無責任だ」という社説を発表している。
 そして、七月八日の社説に至る。

 この社説は、まず冒頭に、野田内閣による尖閣の購入つまり国有化は、
「長い目で見れば、政府の管理下、いらぬ挑発行為を抑え、不測の事態を避けるのが目的だ」として歓迎している。
 そのうえで、驚くべき結論に至っている。
 つまり、従来の日本国政府が如何に中共に弱腰ではあっても、これだけは譲ってはいなかった領土に関する基本原則である、
「日中間に領土問題は存在しない」
を放棄することを日本政府に求め国民を納得させようとしているのだ。
 即ち、本社説の結論は、末尾のこれだ。
「日本政府は、『日中間に領土問題は存在しない』という立場をとってきた。理屈はその通りだとしても、それ一辺倒では問題の前進は難しいのも確かだ。
 これを機に、争いがあることを認め、双方が虚心坦懐に向き合うことを望む。」

 これは、驚くべき売国の社説だとは思われないか。

 まずこの社説は真実を消去し事実を捏造している。
 日本国政府が堅持してきた「日中間に領土問題は存在しない」は「理屈」ではなく「真実・事実」である。
 日本にこの「真実・事実」を捨てて、「領土問題は存在する」という嘘を前提として中共と「虚心坦懐に向き合え」とは、強盗と、強盗が狙っている金品が誰の物かと「虚心坦懐に話し合え」ということではないか。アホか、馬鹿馬鹿しい。アホも休み休み言え。

 また、社説は、「何かにつけ中国への敵意をむき出しにする石原慎太郎知事だ。都が購入すれば、中国との間で緊張が高まる懸念があった」と無礼なことを書いているが。
 これは事態を逆にして事実を捏造している。
 何かに付け、日本への敵意をむき出しにしてきたのは、中共ではないか。
 特に、本年の三月十六日から、中共は、尖閣周辺に政府の「公船」を複数隻繰り出してきて定期的な活動を開始したが、それを中共政府は、「日本の尖閣の実効支配を打破する為だ」と公言したのである。つまり、中共は「日本の領土を奪う」と宣言したのだ。
 石原さんの言を借りれば、「強盗がお前のところに押し入るぞ」と言ってきたのだ。
 これは、宣戦布告的恫喝である。
 緊張を高めたのは、中共ではないか。
 本社説はこれを無視して事実を捏造している。

 次に、野田内閣、民主党内閣が、尖閣を購入すると言うことは、従来通り、「日本国民を尖閣に上陸させない」という政府の管理方針を貫くことである。
 朝日新聞と社説は、石原氏の東京都がこれを購入すれば、国民を上陸させるから嫌なのである。何故嫌か、中共様が嫌がるからである。
 要するに、朝日新聞と社説は、日本人が触れないように尖閣を綺麗に贈答用に封印しておいて、いつでも、日中友好の為に、中共に差し上げることができるようにしておきたいのだ。
 そして、社説は、野田内閣に尖閣を購入させれば、尖閣は「対中共贈答用に密封保管される」と言っているのだ。

 以上が朝日新聞の社説が事実を捏造しながら主張していることである。そして、既に述べたように、野田内閣の尖閣購入の目的と狙いが、在中売国大使とこの社説の意向に沿うものであることは明らかである。

 従って、
 日本国民は、野田内閣が売国的狡知を以て中共と打ち合わせて仕組んだ尖閣購入計画のからくりを見抜き、断固としてそれを阻止しなければならない。
 尖閣の購入はあくまで石原慎太郎氏と国民が当初から望んで多額の献金を拠出しているとおり、石原慎太郎氏が知事を務める首都である東京都が為すべきである。

 さらに、諸兄姉、ここで止まってはいけない。ますます多くの国民が購入資金を東京都に拠出しつつ、
 今一歩前進して、次のプロセスを実現しよう。

 即ち、尖閣諸島は、
 まず、石原慎太郎氏が知事を務める東京都が購入する。
 次にその東京都から、
 石原慎太郎氏が内閣総理大臣を務める日本国政府が購入して国有化する。
 このプロセスを、これから、一年以内に実現させる!


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