【真悟の時事通信】南方作戦

【真悟の時事通信】南方作戦

(平成25年 1月 17日号)より転載

             西村真悟

 昨日十六日から、安倍総理はベトナム、タイそしてインドネシアを歴訪している。
 この訪問は、安倍総理が思っている以上の成果をあげるだろう。何故なら、我が国の国家戦略に適っているからだ。そして、この地域は親日的だから。

 安倍総理は、初めに総理になった時には最初の訪問国に中共を選んだ。この度は、韓国に特使を派遣し、最初の訪問はアメリカとなっていた。
 この時点までの発想は、最初に中共を選んだ思考回路の範囲内だった。なーんだ、と思った。
 つまり、アメリカか中共か、さて、どちらにしよう、という外務省優等生的思考。
 さらに言うならば、日米中正三角形論を唱えたアホとあまり変わらない。

 しかし、新年に入ったいつの時点で転換したのか、安倍総理は、アメリカを後回しにして、まずアセアン諸国に旅立った。
 その転換の理由は、そもそも、大統領就任式の直前直後のアメリカに行っても単に顔を会わせるだけではないかということがあるが、私は、いち早くミャンマー訪問を済ませてきた麻生大臣の報告と進言だと思う。
 いずれにしても、安倍さんを従来のパターンからの転換させる要因が安倍内閣に働いた。

 その要因は、一言でいえば、「戦略眼」だ。
 安倍総理は、この戦略眼に促されてアセアンを訪問し、有益な具体的戦略を胸に秘めて帰国することができるだろう。
 政治家(軍人もそうだ)の抱く戦略を象徴するものは地図だ。
 従来の中共かアメリカかの地図は、「世界地図(戦略地図)」ではない。
 我が国の地図は、太平洋と東シナ海と南シナ海、アセアン諸国そしてマラッカ海峡、その西のアンダマン海そしてインド洋、さらにインド洋の北に広がるインドとムスリム諸国(ウイグルを含む)とチベットの大地だ。

 このたびの安倍総理のアセアン歴訪は、我が国が戦略に目覚めた行動を始めたことを内外に示している。

 その戦略が生まれる最大の要因は、中共の動向だ。
 産経新聞が十五日に、
「中国『戦争準備せよ』 対日想定、緊張あおる 解放軍指示」という見出しを一面のトップに掲載した。
 現実に過去中共は、アメリカがベトナムから撤退した一九七二年、武力でベトナムから西沙諸島を奪い、次にアメリカがスフィリピンのスービックとクラークの両基地から撤退した一九九二年、同様に武力で南沙諸島(ともに南シナ海)をフィリピンから奪った。
 そして、我が国に対しては、戦後最悪の内閣であった民主党内閣の時に攻勢を開始し、昨年から本年にかけて、東シナ海の尖閣諸島周辺で約一年間にわたって領海侵犯を常態化させ領空まで侵犯してきている。
 そして、その背景に国内の貧富の絶望的な格差と社会不安、さらに胡錦濤から習近平への権力移行期の政治闘争がある。
 いかに、平和ボケで日中友好が信条とはいえ、我が国のマスコミは日本国民の知る権利に応ずる責務がある。各社、各誌、この産経くらいは報道すべきである。中共の共産党政府御用達でないならば。

 マスコミは、阪神淡路大地震も東日本巨大地震も、さらにその他の地震も予知できなかった「専門家」が、原子力発電所の下に「活断層」があるといっただけで、大々的に報道する。この論理でいけば、火山列島の日本に原発は許されないことになる。つまり、一種の反原発報道だ。
 しかし、この同じマスコミが、中共の核ミサイルの脅威や東シナ海で現実に目の前で展開している中共による対日軍事攻勢に関して何故もっと報道しないのか。
 マスコミは、取材のジェット機を持っているんだから、東シナ海を飛び回り中共領空に接近して取材したらどうか(マスコミは、私が、尖閣諸島魚釣島に上陸したとき、盛んにジェット機を尖閣領空に飛ばしとった)。

 それにしても、この軍事的緊張をことさら高めているのは、自らの指導力を強化しようとする習近平だという。
 そして振り返れば、日本には、自分の権力強化のために露骨に軍を動かして他国を侵略しようとするこのような男を、三年前に権力を誇示して無理やり天皇陛下に会わせた者がいた。
 古来我が国において、天皇陛下の権威をないがしろにした者にろくな末路はない(とはいえ、これを書き始めれば論旨がそれていくのでこれ以上書かない)。

 台湾人の林建良さんは、「中国は地球のガン」という本を書かれたが、支那が昔から我が国の疫病神だったことに変わりはない。支那は同じことをしている。
 そこで、今一度、いわゆる東京裁判史観とそれを子供に教える小中学校で習った日教組史観を頭から消し去って、疫病神の支那は何をしてきたか点検したい。
 そうすると、既に指摘したが、支那が満州事変前に満州でしたことと同じことを現在東シナ海の尖閣周辺と沖縄本島でしていることがわかる。

 即ち、支那は、満州では共産パルチザンと張学良の軍隊による絶え間のない日本人排斥運動と日本人殺害と南満州鉄道に対する破壊活動を継続した。満州は、無秩序と暴力のるつぼにされる寸前となった。
 その時、満州の邦人百万人(朝鮮半島出身者を含む)、それを守る我が関東軍一万人。対するに張学良の軍隊三十万人、共産パルチザン無数。
 この構図は、先手を打たなければ、むざむざ百万の同胞を殺戮殲滅される事態である。
 よって、昭和六年九月十八日、関東軍の板垣征四郎大佐と石原莞爾中佐は、決然と満州平定に起った。
 そして、六か月で全満州を平定し満州国を建国して満州に「秩序と繁栄」をもたらした。
 すると、イナゴのように南から大量の支那人が「秩序と繁栄」を求めて満州に殺到し移住してきた。
 現在、支那が「満州は自分の領土」と言えるのは、板垣征四郎と石原莞爾が断行した満州事変と満州国建国のお蔭なのだ。
 以後、昭和十二年七月七日の蘆溝橋事変と続く通州事件そして上海事変においても支那は同じことをしてきた。

 では、現在、東シナ海で支那がしていることは何か。
 我が国の「法と秩序」に対する絶え間のないテロではないか。
 それは、満州事変と同様に、パルチザン(便衣兵)による不法侵入と不法上陸を繰り返す中で正規軍による不法侵入を始めてくる。そして、遠慮会釈なく軍事力を増強してきている。
 従って、我が国が為すべきことは、軍事的には、先手を打って初戦で徹底的に叩くということだろう。これは既に、自衛権の行使である。
 そこで今の事態を、石原莞爾中佐ならどう判断するか、是非聞きたい。自衛隊の現役もしくは予備役に石原中佐と同様の戦略家はいるだろう。

 とはいえ、話を安倍総理のアセアン訪問に戻さなければ収拾がつかなくなる。

 さて、この疫病神の支那が巻き起こす事態の中で、我が国は、昭和十六年十二月八日に発せられた「開戦の詔書」の通り、米英と干戈を交えることとなった。
 その時、我が国に、如何にしてこの難局を切り抜けるのか、戦略はあったのか。
 それは、あった。
 今振り返っても、この戦略通りに戦っておれば、我が国は負けなかったという戦略はあった。
 それは、昭和十六年九月に大命降下を受けて誕生した東条英機内閣が、我が国に十一月二十六日にハルノート(最後通牒)が伝達される二週間ほど前に大本営政府連絡会議で決定した
「対米英蒋蘭戦争終末促進に関する覚書」だ。

 その「覚書」は、次の四段階の戦略を描いている。
 まず初戦は、南の資源地帯(今のアセアン諸国)を植民地として支配している米英蘭を追い払ってそこを制圧する(南方作戦)。
 次に、さらに西に進みインド洋を制圧してインドの英国からの独立を図る(西亜作戦)。
 同時に、この西方作戦は、支那に対する援助物資補給ルートを切断し、蒋介石の戦争継続を不能にする。
 このようにして、イギリスが屈服した後のアメリカの対日戦争継続意欲を挫きながら、それでもアメリカが攻撃をしてくるなら、近海で迎撃する。

 以上が、「覚書」の内容である。
 これをイギリス首相チャーチルが知れば震え上がったであろう。イギリスのナチスドイツとの戦争継続能力はインド洋とインドに依存していたからだ。
 しかし、現実には、この「覚書」は無視され、連合艦隊は、「覚書」で最終段階に位置づけられている対アメリカ作戦を「初戦」に持ってきたのである。
 即ち、ハワイパールハーバー奇襲攻撃である。
 そして、震え上がるはずのチャーチルが、パールハーバー奇襲を聞いて、安堵し「戦争が始まってから初めてぐっすりと眠ることができた」と日記に書くことになった。
 これによって、我が国は本来の戦略が破綻した。そして負けた。

 さはさりながら、今見直すべきは、成功した「南方作戦」と最後まで遂行すべきであった「西亜作戦」である。つまり、我が国が注目すべきは、今のアセアン諸国とインド洋そしてインド亜大陸だ。
 何故なら、昔と変わらない支那の暴力と無秩序そして無政府状態を前提にするならば、安定要因としてのこの地域と我が国の連携の重要性も昔と変わらないからだ。

 そして、冒頭に言ったように、安倍総理が就任最初の訪問地に、この地域を選んだことは我が国外交に、本来の「戦略の柱」が入ったことを意味する。
 安倍総理が、この地域の重要性と人々の心情と親日性を知って帰国してほしい。
 この地域は、支那と朝鮮とは全く異なる。

 さらに言うが、我が国の高校で修学旅行の目的地として支那や朝鮮を選ぶ学校が多すぎる。
 その理由は、この反日的な地域に生徒を連れて行けば、日教組教育の正しさが立証されるからであろう。つまり、これは支那や朝鮮の反日宣伝の手段としての修学旅行である。

 何でよりによって、世界に二つしかないこの反日国が我が国の修学旅行地に選ばれるのか。
 生徒たちには、まず、暖かい親日的な地域、日本が戦ったお蔭で独立できたと日本を讃えてくれる地域を修学旅行で体験させてあげたい。生徒たちが、二十世紀の我が国の本当の歩みが分かるからだ。

 そこで提案であるが、安倍内閣は、国策として我が国の学校が修学旅行として「南方作戦」と「西亜作戦」の地を選ぶことを奨励し、その地を修学旅行の地にするならば補助金を出すことも検討すべきである。財源は、我が国内で反日教育をしている朝鮮学校に出す補助金を廃止してそれを回せばいいではないか。

参考 「中国ガン・台湾人医師の処方箋」

http://www.amazon.co.jp/%E4%B8%AD%E5%9B%BD%E3%82%AC%E3%83%B3-%E6%9E%97-%E5%BB%BA%E8%89%AF/dp/4890633006/ref=sr_1_2?ie=UTF8&qid=1356076869&sr=8-2


投稿日

カテゴリー:

投稿者: