2013.2.25 産経新聞
中国の原発で過酷事故(シビアアクシデント)が起こった場合、日本にどういう影響があるかなどについて、原子力規制委員会が事故対応の検討を始めたことが24日、規制委関係者への取材で分かった。国内の原子力規制機関が海外の原発事故を想定し対応策を検討していることが判明したのは初めて。規制委は今後、各国の規制機関とも協力、海外の原発事故対応について本格調査に乗り出す。
規制委関係者は中国を検討対象とした理由について、「次々と原発が建設されており、事故が起きた場合、日本への甚大な影響が考えられる」としている。
具体策は今後議論されていくが、中国などの近隣諸国の原発がトラブルを起こし放射性物質が放出されると、偏西風に乗って放射性物質が日本に流れ着くことが予想される。日本はすでに、中国からの大気汚染物質の飛来に直面している。このため、放射性物質がどのような経路で日本にたどりつくかを示す拡散予測シミュレーションマップを作成することも考えられるという。
4月からは特に、これまで文部科学省で実施されていた放射性物質の測定業務が規制委に移管されることで、モニタリング態勢も強化できる。規制委はそのためのベテラン技術者の募集もすでに始めた。今月12日の北朝鮮による核実験では、文科省が放射性物質が大気中に漏れた場合の拡散予測を発表している。
日中科学技術交流協会や日本原子力産業協会によると、経済成長とともに電力事情が悪化している中国は今年1月末現在、原発16基が稼働しており、29基が建設中。2020年までにさらに約50基増やす計画があるという。
日中協会が入手した中国側の資料によると、中国の原発1基当たりのトラブル件数は05年2・6件(日本0・3件)、07年2・1件(同0・4件)で、日本の5倍以上の割合で記録されている。トラブルがあった場合、日本は原子炉を止めて安全を確認するが、中国では稼働しながら故障を修理するという経済優先の対処法もみられるという。
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参考「中国ガン・台湾人医師の処方箋」P121より
●核兵器より怖い中国の原発
中国の核兵器よりも、実は原発の方が危険だという見方もできる。たとえ独裁国家でも、核兵器となれば厳重に管理を行ない、その行使を決定するためにはいくつものプロセスがある。
だが、原発事故とそれによる核汚染は、人間のミスによりいつでも簡単に発生してしまう。中国ではいったん事故が起これば、被害はどんどん拡大していく可能性が極めて高い。
急ピッチで建設している中国の原発のほとんどは、臨海地域に集中している。そこは、ウイグルやチベットと違って、人口が密集しており、数億単位の人間が住んでいる。そこで原発事故が起これば想像を絶するほどの甚大な被害となろう。
これは日本にとっても他人事ではない。これから中国が増設しようとしている臨海地域の多くは、日本にとっては風上、海流の上流である。原発事故が起これば、放射能汚染物は黄砂のように偏西風に乗って日本に運ばれる。日本の水も汚染される可能性があるのだ。
だが、中国は利権のために原発を乱造し、日本に大きな脅威をもたらそうとしている。