【王明理】台湾は破滅への新ページに

台湾は破滅への新ページに
                王 明理(台湾独立建国聯盟日本本部委員長)

昨日、大きく報道された「中台分断後初の閣僚級会議」「中台関係は新ページに」というニュースに台湾人の真の幸福を願う者は、憂慮を禁じ得ない。

これは台湾の国民大多数の歓迎するニュースでは決してない。

「台湾は中国の領土である。いずれ中国と台湾を統一する」と明言している中国と「政治的会話」の道筋をつけるために握手することが、どれだけ台湾にとって危険であり、マイナスであるか、これは明らかである。

中国を訪問したのは「国民党馬英九政権」の大陸委員会の王郁琦で、決して、台湾人の総意を代表するものではない。

もう一つ、注意して頂きたいのは、担当閣僚級会談は1949年の“中台分断後”初めてという表現。

中国と台湾は、分断されたことは歴史上一度もない。

台湾の歴史は、有史以来、中国であったことは一度もない。

あえて言えば、清王朝の植民地であったことがある(1683年―1895年)が、それは、台湾が植民地体制におかれた歴史のなかの、オランダ時代、鄭成功時代、清朝時代、日本時代、中国国民党時代のなかの一時代に過ぎない。

1949年は、蒋介石軍団(中華民国)が毛沢東に負けて、台湾に逃げ込んできて、台湾に中華民国体制を強いた年度であって、中国と台湾が分断されたのではない。

今回のことは、言わば、台湾に逃げ込んだ中国人が、65年ぶりに許されて中国大陸で現政権と握手したというのが事実であろう。

それは、中国人同士の握手であって、台湾人の幸せとは全く別のものである。

台湾人の願うもの。それは、台湾が基本的人権を保障された民主主義国家として、主権を国際社会に承認されることである。

言論の自由もなく経済的にも破綻が見えている軍事独裁国家中国に併呑されて、すべてを失いたいと願っている台湾人はいない。

2014.2.12


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