「台湾の声」編集長 林 建良(りん けんりょう)
中国人はよく、自分は世界一賢い民族だと自慢する。実際中国人と接してみると、確かに狡賢い人間が多い。その上に中国は独裁国家だから、すべての政策は緻密に立案され効率よく実行されていると思われがちだが、実際はそうではない。
例えば、中国は資金不足のため、外国への資金流出を厳しく規制している。しかし外資系企業にとって、儲かった金を持ち帰れないなら、そもそも中国に投資する意味がない。その金の卵を産むニワトリを殺すような規制自体が資金不足を悪化させる要因になっている。
最近、中国人民大学の周新城教授が中国共産党の機関誌である「求是」のネット版で発表した論文も一つの例になる。
彼は「私有制を消滅することは社会主義発展の趨勢である」と主張し、財産私有制容認の現状を厳しく批判している。もちろんこの過激な論文は共産党高層部の了承なしでは党の機関誌で掲載することはあり得ない。つまり、この文化大革命時代に回帰するような論文は習近平思想の一環と解釈して差し支えない。
しかし中国は改革開放の政策転換によって財産の私有制が認められたからこそ、外資が流入するのである。資金不足に喘ぐ今、「私有制を消滅せよ」と呼びかける論調を掲載する中国共産党の企みは実に理解しがたい。
もっとも、アクセルとブレーキを同時に踏む中国当局の愚挙は、世界の人々にとって決して悪いことではない。狡賢い中国人が集団だとバカになるのは、中国人の宿命であり、世界の幸いでもあるのだ。
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