メルマガ版「台湾は日本の生命線!」より転載
ブログ「台湾は日本の生命線」より。ブログでは関連写真も↓
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産経新聞グループの経済情報サイトSankeiBiz(サンケイビズ)が七月二日に配信した「台湾製造業 中国見切り/人件費高騰、域内への工場帰還相次ぐ」と題する記事にはこうあった。
―――台湾の製造業が勢いを取り戻しつつある。中国本土の人件費上昇に伴い、生産拠点を域内へ再移転する企業が相次いでいることが背景にある。
これを読み、おそらくほとんどの日本人は何の違和感も抱かないはずだ。
しかしこれは誤報だろう。
なぜなら台湾に対して中国を「中国本土」と呼ぶのは誤りだ。中国の一部である香港に対してそう呼称するなら問題ないが、台湾は中国領土ではないのである。
そう言われて「それはそうだ」と気付く人もいようが、いずれにせよ日本人はそれほどまでに、「台湾は中国の一部」という中国人の宣伝に洗脳されてしまっているのである。
この記事は「中国本土」を連発する。たとえば、
―――リウ氏は「中国本土への工場移転はコストの削減が目的だったが、ここ数年で現地の人件費は跳ね上がっている。特殊技能を備えた従業員を多く確保できるという意味でも、台湾へ戻るのが得策と判断した」と説明する。
「リウ氏」とは台湾最大手の銅張積層板メーカーであるITEQのIR担当責任者。台湾人だから、おそらく「中国」か「中国大陸」と呼んだと思うが、ここでは丁寧に「中国本土」と日本語訳している。
記者もきっと洗脳されているのだろう。
「台湾・中国本土」と報じるメディアは他にどれだけあるのだろう。それをキーワードにGoogleでニュース検索をすると、ヒットするほとんどは中国国営新華社通信(日本語)の報道だ。
日本のマスメディアは近年、あまりこうした過ちを犯さなくなった。私の知る限り、日経がたまにやっているようだ。一度電話で「誤りだ」と伝えると、「誤りではない」と突っぱねられた。
そしてもう一つ、たまにこれをやるのが産経なのだ。そこで今回、産経の読者サービスに電話を入れ、「誤り」を指摘すると、先方は直ちにそれを認めた。
私は「危険な誤りだから、今後は注意してほしい」と要望した。「危険」というのは、「中国本土」との呼称が中国の台湾併呑を正当化する言葉になっているからである。
中国が台湾を侵略する際に、中国は必ず「台湾は中国の一部。米国と日本は中国の内政に干渉するな」と叫び、日米同盟を牽制してくることになる。
その時日本人は、「台湾は中国の一部」との誤った印象、認識を持つがゆえに、「中国の言うとおりだ。自衛隊は台湾救援に向かう米軍の後方地域支援を行うべきではない」と訴える反戦世論が高まり、日本自身の首を絞めかねない。
もしそうなれば、中国の建国以来の対日宣伝洗脳工作は大成功を収めることとなるだろう。
「中国大陸」との呼び方も間違っている。ニュージーランドに対してオーストラリアを「オーストラリア本土」「オーストラリア大陸」などと呼ぶ者はいまい。
日本人はまず「台湾は台湾。中国の一部ではない」との現実を確認し、中国を「本土」「大陸」と呼称する習慣を捨て去ろう。いつまでも洗脳からの脱却できないでどうするのか。