日本李登輝友の会事務局長 柚原正敬
「厚黒学」(こうこくがく)とは聞きなれない言葉だ。著者によると、これは
「『ずぶとく腹黒い学』と読むべきもので、その開祖李宗吾(り・そうご)が著した『厚黒学』に由来する」という。李宗吾という名前も初めて耳にするが、李は清朝末期から支那事変期に生きた中国の伝統的な文化人だという。
李は、歴史上に活躍した英雄豪傑の事跡について研究し、その成功した秘訣を
発見。それが「鉄のような面の皮をもち、ずるがしこくて腹黒い者でなければ王者、覇者にはなれない」という「厚黒の歴史法則」であり、それを一書にまとめたのが『厚黒学』という奇書だ。台湾ではいま、大人気を博しているという。
本書は、その奇書のエッセンスを紹介しつつ、厚黒進化論をもとに李宗吾が触
れていない孫文、蒋介石、毛沢東、周恩来らも俎上に載せ、その人間性や処世術を論じている。
これまで中国人についてはいろいろな分析が出ているが、これまで著者は『中
国人の卑劣 日本人の拙劣』『中国陰謀学入門』『日本人が知らない中国人の本性』などを著し、徹底的に中国人を分析、今回また新たな視点を提示した。
著者はなぜ「地球人というよりも異星人」と断ずる中国人を分析し続けるのか
、その解も本書に述べている。
■著者:黄文雄
■書名:『厚黒学−腹黒くずぶとく生き抜く』
■版元:心交社 http://www.shinko-sha.co.jp/site/prdct/detail.php?pcode=1302
■体裁:四六判、並製、本文240ページ
■定価:1,575円(税込)
■発売:2009年9月14日
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