台湾の声
日本政府が3月11日に主催した東日本大震災の追悼式典で、台湾代表に指名献花させないなど信じられない非礼な待遇をしていたことが12日の参議院予算委員会で明らかになった。
同委員会で質問した自民党の世耕弘成議員は、台湾から台北駐日経済文化代表処(台湾大使館に相当)の副代表(副大使)が同式典に参列したが、各国代表と離れた2階席の一般企業・団体席に座らされ、指名献花から外されていたことを明らかにし、「台湾は一番早く救援の手を差し伸べて、一番たくさん義援金もくれた国なのに、どうしてそういう失礼な扱いをするのか」と政府の対応を批判した。
これに対して藤村修官房長官は「国と国の関係おいて大使らが献花した。台湾については経済交流の機関としての捉え方だった」と答弁。世耕氏がOECDなど国ではない国際機関代表や日本と国交のないパレスチナの代表も指名献花していたと指摘すると、藤村官房長官は台湾からの義援金に感謝した上で「そのことについて十分にマネジメントできていなかったことについてはお詫びしたい」、「事務方ですべてお膳立てした。台湾に対する我が国の立場は72年の共同声明にある通りであり、それは何ら変更ない。非政府間の実務関係者としてのお招きだった」と述べ、日中共同声明を持ち出して台湾への非礼を正当化し、不手際を事務方のせいにしようとした。
世耕氏に台湾に対するお詫びを促され、官房長官のあまりにもひどい答弁に見かねた野田佳彦総理大臣が「今般の東日本大震災では台湾の皆様には温かいご支援をいただいた。その気持ちをもしかすると傷つけるようなことがあったら本当に申し訳なく思う。行き届いていなかったことを深く反省したい」と陳謝した。