【台湾見聞】謎の金庫が開いた!

【台湾見聞】謎の金庫が開いた! 
   

   メルマガ「遥かなり台湾」より転載

        台日会世話人 KISOU3         
    
新竹市に創立110年になる由緒ある北門国小という小学校があります。去年11月中
旬に新聞に
この「学校にある金庫が40年ぶりに開いた」という記事が掲載されました。この
金庫は高さ
1メートル、大人5、6人でもビクとも動かず、300キロ以上ある重さ。いつごろ
の物か知っ
ている人はなく、戦前の卒業生の話によると、かっては生徒がこの金庫の前を通
る時は敬礼
して通ったとかで、歴代の校長先生はそれを聞いて開けようとしませんでした。
それに鍵は
すでに紛失しており鍵が複雑で開けることが出来ず長い間放置されていました。
今回強力な電動のこぎりを使って2時間かかって鉄の扉を開けたと思ったら、ま
た中に銅の
扉が、そして木製の扉と2重3重の七つの扉があったのです。「こんなに頑丈に
できた金庫
に一体中に何が入っているんだろう」と関係者はもちろん、当の職人さんも好奇
心一杯で最
後の力を絞って、そして目の前に出てきたものは?
 
 大判小判がザクザクと出てくるわけないし、皆さん、金庫の中から何が出てき
たかと思い
ますか? それは何と通信簿だったのです。民国34年(1945年)から40年間にわ
たる生徒一人
一人の6年間の通信簿が虫食いにもあわず、完璧な形で保存されていたのです。
学校の職員である許さん(女性)は34年の通信簿の中に自分のおじいちゃんの名
前を見て
ビックリ!おじいちゃんにすぐ学校に来るように電話をかけたのです。
そして孫がこの学校で学んでいると言う曾さん、また同窓生たちも駆けつけまし
た。
おじいちゃんはそばに奥さんやお孫さんもいるので、(もし成績が悪かったらメ
ンツがないと
思って)内心ビクビクしながら自分の通信簿を見たら、それが模範生。その書か
れた文字を
見て「見ただろう!おれは模範生だったんだぞ」と得意顔で言ったのです。
 
 皆さんは通信簿を保管していますか?ぼくの父親は、財産は残さなかったのに
、小学校中学
校の通信簿だけは何と7人子供全員の分を大事に残してあったのことを、台湾に
住むように
なってから聞きました。
皆さんがもらった通信簿に記載している評価法はどんな基準でしたか?ぼくが小
学生の頃は確か
5段階評価で「5」が優秀で「4」は良で以下だんだん評価が下がって「1」は
最低のランクでした。

 ところで、金庫の中身は戦前の日本教育時代と戦後の国民党政府時代の通信簿
を比較できる貴重
な資料となりました。
 
 戦前の日本人の先生は地図を描いて生徒一人一人の学校から生徒の家までの道
順がわかるように書
いており、また一緒に住んでいる家族の名前など家庭環境までが詳しく記載して
いたようです。修身、
国語、算数、地理、音楽、武道、体操など各科目に「優」「良」「可」の評価と
ともに、発音が正し
くないとか正義感があるとか長所、短所まで所見が克明に記載されていました。

 戦後は評価方法が「甲」「乙」「丙」「丁」と変わり、年間の所見もだいたい
「活発」「腕白」
「不真面目」「きれい好き」などです。でも中には「授業中外ばかり見ている、
勉強きらい、先生の
言うことを聞かない」とか「舌を延ばしたり、首をすくめたりして愛嬌がある」
などと記している
先生もいたようです。

 この学校の校長室にはもう一つの同時代の金庫があって、天皇陛下から賜った
ものとか、日本人
校長先生の軍服が入っているのでしょうか。興味津々ですよね。でも学校側では
しばらくそのままに
しておいて超一流のカギ職人を捜すそうです。


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