【遥かなり台湾】台風休み

【遥かなり台湾】台風休み

メルマガ「遥かなり台湾」より転載
    
                            
例年台風が台湾に上陸する前日の晩になると誰もがテレビのテロップに注目します。それは地方
自治体ごとに「明日台風休みかどうか」を知らせるからなんです。
数年前にこんなことがありました。知り合ったばかりの日本人から、夜電話があり、「喜早さん、
ブジョウバンって何のこと?」と聞かれたのです。ぼくも思わず聞いた事のない日本語なので
「何それ?日本語?」と聞き返したら「今テレビを見ていたら台風のニュースをやっており、
台北ブジョウバン台中もブジョウバンなんて字幕が流れているよ。」と言うではありませんか。
それを聞いてわかったのです。彼は中国語の漢字を見て日本語の読み方で発音していたのです。
それで「ブジョウバン(不上班)は会社が休みの意味で、ブ(不)がなければ出勤の意味です
よ。」と教えてあげたのです。ちなみに学校が休みのときは不上課で、字幕に台中市不上班不
上課と出たら「台中市は会社も学校も休み」の意味なんです。
 でもここでいう「会社が休み」は公務員や銀行を対象としており、民間企業は自治体の発令に
従っているところもありますが、最終的には会社の責任者の判断に任せているのが実情です。

 会社の女の子に「日本には台風休みがないよ。」と話したら不思議そうな顔をしていました。
「日本のサラリーマンは大変だよ。どんな悪天候であろうと電車が動いていれば出勤しなけれ
ばならないし、その点台湾は台風休みがあっていいなあ。」と思っている日本人の一人です。
でも台湾でも台風に関係なく通常営業している所もあるんですよ。年中無休を旗印にしている
ショッピングセンター、デパート、映画館、コンビニなどで働いる人たちは日本のサラリーマ
ン同様に大雨、大風の中大変な思いをして出勤しなければならないのです。時々予報が外れて
台風が来ないときもあり、この時はデパートや映画館、ショッピングモールなどは「台風休み
様様」となるのです。

23日台湾全土が台風休みになった日に澎湖県馬公空港付近でトランスジア(復興)航空の飛
行機が墜落し48人が犠牲になるという痛ましい惨事が発生しました。
遺族の人たちからは「台湾はどこも休みになった中、どうして台風のさ中飛行機を飛ばしたの
か。」と非難の声が殺到。ある新人の女性客室乗務員は離陸直前に出発空港の様子について
「高雄は暴風雨でとても恐ろしい状況だ」とフェイスブックにメッセージを送っていたとか。
この人も結局帰らぬ人となってしまいました。
今回の事故で犠牲になられた方々には、謹んで哀悼の意を表したいと思います。
離島に行く便は飛行機の座席が取りにくく、また天気に左右されて欠航が多く「せっかく座席
を手にしたのにどうして飛ばないのか」とたびたび利用客から罵声を浴びせられることも多々
あったそうです。でも航空会社は人の命を預かっているわけですから安全第一・人命第一で
運航をしてもらいたいものです。


投稿日

カテゴリー:

投稿者: