台湾の声台湾レポート 2013.10.4
台湾独立運動関係者が台北で本誌編集部に明かしたとこ
ろによると、台湾での拡大が壁にぶつかった林志昇集団
(「台湾民政府」)が狙いを日本に向けているという。
4月に、本誌で行った林志昇集団の疑惑報道は、台湾独
立建国聯盟台湾本部でも転送拡散され、林志昇集団は4
月末に米国で分裂劇を演じた。5月に日本の防衛関係O
Bを含む交流団が、林志昇集団にかけられている疑惑を
検討して訪台と取り消し、8月には台湾基督長老教会が、
林志昇集団と一線を画す声明を出した。こうして台湾で
の拡大が壁にぶつかった林志昇集団が狙いを日本に向け
ているという。
林志昇がどのような人物であるか、日本の人々は情報が
少ないであろうから心配である。
林志昇が、台湾独立建国聯盟の過去の名前を使って募金
活動をしていた以外に、台湾独立建国聯盟を唖然とさせ
たエピソードを紹介する。
民進党政権の頃、林志昇が人の紹介で台中の集会に出席
した。そこで彼は、自分はインターネット放送「台湾聯
通網」の理事長であり、独立派ラジオ局「TNT」を買
い取ったと自己紹介した。実際には「台湾聯通網」の理
事長は許世楷氏であり、「TNT」を買い取って「宝島
新声」と局名を変えたのは頼茂州氏であった。ところが、
その集会には許世楷氏および頼茂州氏の娘・頼静嫻
氏も出席していて、許世楷氏は「私は知らない間に理事
長を辞めさせられたようだ」と皮肉を言ったという。頼
静嫻氏は現在も宝島新声の社長を務めている。
林志昇集団は、未来の公務員の資格が得られるとして研
修会を行っているが、その講師として彭明敏、黄昭堂、
羅福全の各氏が来るというふれこみであった。ところが
実際には、会議施設はボロボロで、それらの講師は現れ
なかった。林志昇は受講者に対して「これだから台独連
盟は信用できない。講師料も振り込んだのに。」と説明
したという。しかしながら、実際には、これらの講師に
対して、振込みどころか、依頼すらなかった。
林志昇はかつて「環球テレビ」(すでに閉鎖)を経営し
ていたが、あるとき給料の遅配が問題になった。ベテラ
ンの記者に対しては2ヶ月、若手の記者に対しては6ケ
月の遅配であった。忠孝東路にビルを購入したために資
金繰りが厳しいため、と林志昇は説明していたが、広告
収入が入っているのに給料を払わないのはおかしいと職
員が立ち上がり集団で林志昇を包囲したところ、林志昇
はやっと広告仲介会社に電話をして国内航空便で現金を
取り寄せて、オフィスを包囲した職員に給料を支払った。
オフィスでの包囲に関わらなかった職員には支払わなかっ
た。あとから明らかになったのは、ビル購入の話はまっ
たくの虚偽であった。実際に同社の職員は政府に対して
仲裁を要請している。
ここで、林志昇集団が天皇誕生日の一般参賀参加をどの
ように宣伝に使っているか紹介しよう:
「一般参賀活動の本質は日本国民が日本の天皇に忠誠を
示すことにある。参加する民衆は日の丸だけが持込を許
される。会場秩序に責任を持つ皇宮警察は、一般参賀要
項において「迷惑を及ぼすおそれのある物を携行する者
は入門をお断りします」と規定しているので、本来なら
ば台湾民政府旗の持込を禁止するはずであるが、【民政
府の】訪問の栞を読んで、交渉の末に、宮内庁から皇宮
警察への通知によって台湾民政府旗の入場を許可した。
これは明仁天皇がすでに台湾民政府の参賀参列を知って
いて、台湾民政府旗を迷惑と考えていないことを示して
いる。台湾民政府旗は宮内庁の特別な許可により一般参
賀に参加した。これは天長節史上で初めて、日本国旗以
外の旗が現れたのであり、台湾民政府が他所のものでは
ない(not foreign)ということを意味している。」
このような牽強付会によって、天皇陛下の権威を利用し
て自らが信用に足る集団であるかのように宣伝している
のである。
彼らが、日本人から研修費を徴収するということはない
かもしれないが、日本人支持者の存在が彼らを権威付け
て、独立に夢を託す台湾人に間違った選択をさせてしま
わないよう祈るばかりである。