(転載自由)
「台湾の声」編集長 林 建良(りん けんりょう)
本日(2012年10月17日)付けの産経新聞「正論」に古田博司筑波大学大学院教授
の「日本軍と戦わない屈折が反日に」と題する論文が掲載され、台湾人の親日感情について、以下のように書かれている。
「日本が敗戦したのは国民党の中華民国であって、共産党の中華人民共和国ではない。私は東京裁判自体は正しいものだとは思わないが、戦勝国として戦犯たちに臨んだことは、台湾住民に勝利の記憶を残したことであろう。この記憶が、台湾人の心をすっきりさせている。だから、彼らは反日である必要性を持たない。今日に至るまで親日だ。」
http://sankei.jp.msn.com/world/news/121017/kor12101703180000-n2.htm
台湾人の親日感情の原点は「日本に勝利した。だからすっきりした」という論述はあまりにも幼稚過ぎで台湾に対する認識は無知に等しい。
日本に勝利したと考えている台湾人はまずいない。そして「勝った。すっきりした。」という心理は如何にも卑しい。この人は台湾を論じる資格はないと断じざるを得ない。
以下は2003年正論・別冊「靖国と日本人の心」に掲載された「戦後世代の台湾人からみた靖国問題」の中の一文である。参考にしていただきたい。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
もともと、日本は尊敬できる気概のある国であった。一般的に親日と言われている台湾人の親日感情の原点も、「日本精神」に対する憧れにある。台湾人が名付けた「日本精神」(ジッブンチェンシン)とは、私利より公益を優先する道徳感、自分たちの国家と伝統を守る気概なのである。
しかし、残念なことに、台湾人が憧れている「日本精神」は、戦後の日本では失われたままになっている。それまで善としてきた価値観は悪となり、伝統価値観の崩壊によって、日本人のアイデンティティも失われた。そのために日本は、虚無感の漂う無気力な国になってしまった。
総理の靖国神社公式参拝が論争の的になったことは、日本人のアイデンティティが問題にされていることの現れでもある。靖国神社参拝を他人事のように傍観している一般の日本国民のアイデンティティも問われているのだ。国民の多くが自国の魂に無関心だから、親中反日勢力が跋扈することにもなるのである。