2016.10.31産経新聞
民進党の蓮舫代表の「二重国籍」問題について、インターネットの言論サイト「アゴラ」でいち早く指摘した八幡和郎徳島文理大教授に聞いた。
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二重国籍は国籍法が定める義務に違反した状態だ。一般人も容認されないが、政治家にとっては国籍という性格上、特段に重要な問題だ。
法律を知らなかったというのは理由にならない。国籍選択をすれば戸籍謄本に載る。仮に法律を知らなかったとしても、私が「二重国籍」疑惑を指摘した8月29日以降、蓮舫氏はすぐに気づいたはずだ。何日に気づいたのか。
その時期に民進党は代表選をやっている。蓮舫氏は(国籍選択をしていないことに)気づいているはずなのに黙っていた。戸籍で分かるから、台湾当局に聞く話ではない。そこで、また嘘をついているわけだ。
台湾の旅券も、当初は保持したままだったことを明らかにしなかった。いまだに旅券の期限がいつだったかということすら、いわない。9月6日に台湾側に返納したという旅券について蓮舫氏は「子供のときのもの」と説明しているが、確認できない。さまざまな傍証から、蓮舫氏は「二重国籍」であったことを知っていたはずだ。
法務省は国籍選択や帰化の運用を地方自治体の窓口に任せ、これまで運用の実態を把握してこなかった面はある。だからといって、蓮舫氏は責任を免れるわけではない。
二重国籍は、本人だけの問題ではない。旧民主党は平成16年の参院選に蓮舫氏を擁立したが、ノーチェックだった。22年に行政刷新担当相で入閣させる際も、なぜ「身体検査」をしなかったのか。要職に就く政治家に対するチェックを確実にすべきだ。