【中国民営企業家・陳天庸】「中国は深い淵に向かう船のよう」

【中国民営企業家・陳天庸】「中国は深い淵に向かう船のよう」

2019年02月26日 大紀元時報より転載

「中国は深い淵に向かう船のよう」ある民営企業家の文章が反響

「中国は深い淵に向かう船のようだ」「根本的な変化がなければ、この船は転覆し、船にいる人が死んでしまうという運命は避けられないだろう」上海市出身の54歳の実業家・陳天庸氏は米紙ニューヨーク・タイムズにこう話した。

陳氏は今年1月、南欧のマルタに移民した。同国行きの飛行機で陳氏は「なぜ中国を離れるのか、ある民営企業家の飛行機からのお別れの言葉」と題する文章をSNSに投稿した。

中国から離れる理由について、重すぎる税負担、俎上の魚のように民営企業からお金を吸い上げる当局の理不尽さ、製造業の海外移転など20項目を上げた。

文章は瞬く間に拡散されたが、その後当局によって削除された。

ニューヨーク・タイムズ中国語電子版24日の報道は、陳氏が多くの企業家の本音を代弁したと指摘した。「中国の実業家は、中国の未来に対する自信まで喪失した」

米クレアモント・マッケナ大学の裴敏欣教授は、これについて「まずい政策とまずい指導部」が原因だと指摘した。「民営企業とその経営者が粛清の対象になったら、いとも簡単に抹殺されてしまう。中国当局は法令順守の政府ではないからだ」

近年、中国で有名な実業家が相次いで拘束されている。安邦保険集団元会長の呉小暉氏は昨年、詐欺や職権乱用の罪で懲役18年を言い渡された。同社の一部は中国当局の管理下に置かれた。2017年1月、中国当局によって香港から本土に連行された中国人富豪、投資会社「明天控股有限公司」の創業者の肖建華氏は今現在も拘束されている。

さらに、中国複合企業、海航集団(HNAグループ)の王健・会長が昨年フランスで転落死したように、中国人実業家の自殺や不審死が世界各国のメディアに注目されている。

同時に、不動産大手の大連万達集団(ワンダ・グループ)は昨年から、経営危機から脱出するため、傘下のホテルや子会社株式などの資産を売却してきた。中国人富豪番付1位、電子商取引最大手のアリババ集団の馬雲・会長は昨年、2019年中に経営の一線から退くと発表した。

陳天庸氏はニューヨーク・タイムズに対して、中国当局は民営企業から多くの資金を搾取しようとしていると述べた。税負担と社会保障の負担額は企業にとって重い負担となっている。社会保障の負担分は社員の給料の40%近くに達している。腐敗幹部も企業をATMのように金銭を要求している。

陳天庸氏は投稿のなかで、国内の企業家に対して「(中国から)離れるなら、早く行動してください」と呼び掛けた。

中国市場研究機関、胡潤研究院が1月中旬、国内富豪465人を対象に行った中国景況感調査を発表した。これによると、「中国経済に強い自信がある」と示した人は、回答者の3分の1を占めた。しかし2年前、同様の回答をした人の数は全体の3分の2であった。

また、1月に発表された調査では「中国経済に全く自信がない」と答えた人は全体の14%で、2018年の2倍以上となった。半分以上の回答者は、海外への移民を検討中、またはすでに手続きを始めたと示した。

陳天庸氏は、当局は常に民営企業や個人を監視していると批判した。

中国人民銀行(中央銀行)は今年1月1日から、一日の取引または累計取引の金額が5万元(約83万円)以上、一回の送金額が20万元(約331万円)を超えた企業や個人を、大口取引をした可能性があるとみなし、監視対象にするという新規定を実施した。人民銀行は、アリペイやウィーチャットペイなどを含む非銀行決済機関に対しても、大口取引を報告するよう要求した。

「中産階級は俎上の魚のようだ。中国当局にいとも簡単に一文無しにされてしまう。誰も免れることができない」

さらに、中国当局は時々、反日、反韓、反米運動を起こし、外資企業の流出が加速していることも景気を悪化させていると同氏は分析した。

中国人民大学の向松祚教授は1月20日、国内での講演で、「国進民退」(国営企業を発展させ、民営企業を後退させる当局の政策)によって、企業経営者の心理が冷え込んだと警告した。

「共産党政権に対抗する最も良い方法は、中国から離れることだ」と陳氏はニューヨーク・タイムズに対してこう述べた。

(翻訳編集・張哲)


台湾の声

バックナンバー
http://ritouki-aichi.com/category/vot

登録/解除
http://taiwannokoe.com/register.html

Facebook
https://www.facebook.com/taiwannokoe

Twitter
https://twitter.com/taiwannokoe

※この記事はメルマガ「台湾の声」のバックナンバーです。
講読ご希望の方は下からお願いします。


投稿日

カテゴリー:

投稿者: