12月15日産経新聞より
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【編集長の一言】
中国人の素晴らしいところは、真面目な顔と誠意ある真摯な態度でウソをつくこと。
しかも偉くなる程その技が光る。習近平と馬英九はその代表人物である。
それは中国4千年文化(中国人は5千年と言っている)の神髄と言えよう。
だから、中国の偉い人物の談話を僕はいつも尊敬の念をもって一言も漏らさないように拝聴している。
「台湾の声」編集長 林 建良
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1984年の秋、2期目をめざすレーガン米大統領は、選挙戦を有利に進めていた。ただ陣営では、73歳という年齢が気がかりだった。対する民主党のモンデール候補は、56歳の若さである。
▼「年齢はハンディキャップになるか」。モンデール氏との討論会で、司会者に聞かれたレーガン大統領はこう答えた。「私は政治目的のために、ライバルの若さや経験不足を利用するつもりはありません」。聴衆は爆笑する。この瞬間、レーガン大統領は勝利を確信したという(『レーガン』村田晃嗣(こうじ)著、中公新書)。
▼きのう投開票が行われた衆院選で、自民党は圧勝した。勝因はなんだろう。もともと与党陣営は、万全の態勢だったわけではない。「レーガノミクス」をもじった「アベノミクス」は、道半ばである。株価は上がり、雇用は拡大したものの、格差拡大の批判も根強い。麻生太郎財務相の失言もあった。
▼安倍晋三首相の後押しをしたのは、実は中国ではないか。習近平国家主席は13日、南京事件追悼式典で、「30万殺害」というありえない数字を再び持ち出してきた。来年を「抗日戦争勝利70年」と位置づける中国は韓国と連携して、より過激な「歴史戦」を仕掛ける構えだ。
▼尖閣諸島周辺海域では、すでに中国公船の領海侵入が常態化している。安全保障をめぐる一連の改革と地球儀外交を同時に進めてきた安倍政権でなくては、中国の攻勢に立ち向かえない。そんな認識の広がりが、自民党を勝利に導いたと小欄は見る。
▼レーガン落選を祈っていたはずの当時のソ連も、再選が確実になると、グロムイコ外相を訪米させた。安倍政権を敵視してきた中国政府も、対日関係改善へ舵(かじ)を切るべきか、思案の真っ最中かもしれない。