「台湾の声」編集部 多田恵
「国籍放棄問題の渦中にある蓮舫氏、単独インタビュー」(Yahoo!ニュース編集部9月9日(金)7時0分配信、聞き手:野嶋剛)で報じられた、蓮舫先生の発言について、日本における台湾人の国籍の問題について、いくつか正確でない部分が見られました。蓮舫先生は、台湾人というルーツも持っているのですから、しっかり勉強していただきたいと思います。
勉強の方法としては、在日台湾同郷会も賛同し、日本李登輝友の会などが進めてる、“台湾出身者が「中国」とされている戸籍問題の解決を!”という運動の説明をご覧になるのが手っ取り早いと思います。また、台湾にかかわりのある政治家として、この問題に取り組んでいただければ幸いです。
以下、蓮舫先生の説明が不適切である点のうち、二点を具体的に指摘します:
(1)蓮舫先生は、昭和42年生まれだと聞いています。昭和39年の法務省の通達で、台湾人も中国人も「中国」と表記するよう指示が出ていますので、“1972年以降は、国籍の表記としては「中国籍」となっていました”との説明は不適切です。
Q.1985年以前の日本の国籍法は、国際結婚の子どもは父親の国籍しか選ぶことができませんでした。ということは、生まれてから17歳になった1985年まで、中華民国籍(以下、台湾籍と呼ぶ)だったということですね。
A. そうです。ただ、(日本と中華民国が断交した)1972年以降は、国籍の表記としては「中国籍」となっていました。
参考:法務省民事局長通達(昭和39年6月19日付)
http://www.ritouki.jp/wp-content/uploads/2015/01/koseki-02.pdf
(2)台湾との「二重国籍」者が、日本国籍を選んだ場合に、台湾の国籍の放棄は、台湾当局に対し手続きするべきものであり、「中華人民共和国」の法律は関係ありません。したがって以下の説明も不適切です。
「少し法律的な話になりますが、(日本と中華民国が断交した)1972年以降、私の国籍は形式上「中国」になっています。仮に中国の国内法では外国籍を取得した者は自動的に喪失をしているので、二重国籍にはなりません。」
(3)日本李登輝友の会“台湾出身者が「中国」とされている戸籍問題の解決を!”
http://www.ritouki.jp/index.php/recommendations/koseki/