【ニュース】民進党が「一つの中国」下のWHO年次総会参加に反対

【ニュース】民進党が「一つの中国」下のWHO年次総会参加に反対

2009.3.26

               「台湾の声」

 台湾の最大野党、民主進歩党(民進党)は3月23日、今年5月の世界保健機関
(WHO)年次総会に台湾がオブザーバー参加を求めていることに関して、もし「一
つの中国」の下でWHO年次総会に参加することになるのであれば反対するとの立場
を表明した。

 民進党は、2005年に中国がWHOと覚書を交わし、台湾との疫病情報通報に中国を
経由することなどが決められたことを指摘した上で、馬英九政権が中国を宗主国
とする「中国台湾」(Taiwan,China)の名義や、中国が提案しているとみられる
毎年審査によるWHO参加を受け入れるのではないかと懸念を示し、台湾の中国国民党
と中国の中国共産党ですでに密約があるのではないかと疑問を呈し、台湾の主権を
犠牲にするWHO参加に反対の立場を明確にした。

 民進党の管碧玲・立法委員(国会議員)は、台湾のWHO参加推進において、馬政
権が�台湾と中国が一緒に話す。�台湾が「一つの中国」の枠組みに反対しない
。�(台湾の参加が)毎年審査が必要である方式を受け入れる。�WHOの情報が中
国経由で台湾に伝わる方式を受け入れる―などののステップで台湾の主権を中国
に売り渡すのではないかと指摘し、表決権、発言権、国家主権を持たないなどの
参加意義のないWHOオブザーバー参加に反対を表明した。

 これに対し、行政院衛生署は、今年1月にWHOが国際保健規則(IHR)に台湾を
受け入れたことで中国を経由しない台湾とWHOの直接通報チャンネルが初めて生ま
れたと反論し、WHOは国連機関であるため1972年からWHOが台湾を中国の一部と見
なし「Taiwan,China」としており、その改正にはさらなる協議が必要であること
を強調した。

 また、馬総統(大統領)は、台湾のWHOなど国際組織参加の名称について、「中
華民国」(国民党が主張する正式国名)を最優先し、次に「台湾」、最後の選択
として「中華台北」(Chinese Taipei」を受け入れるとしている。

 しかし、馬総統が「中華台北」も受け入れると表明したことから、中国が「中
華民国」および「台湾」の名称による参加を受け入れる可能性はより低くなった
といえる。


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