【ダライ・ラマ善光寺で法要】聖火リレー出発地点辞退に謝意
産経新聞 22年6月20日
来日中のチベット仏教最高指導者、ダライ・ラマ14世は19日午後、長野市の善光寺で世界平和を祈る記念法要を行った。その後、記者会見し、平成20年4月に長野市で行われた北京五輪聖火リレーで、善光寺がチベットの人権問題を理由に出発地点を辞退したことについて、「不正義が今も存在することをアピールするために大変、役に立った」と謝意を表した。
また、ダライ・ラマは「私たちは中国の人たち、中国の文化に尊敬の気持ちを持っている。反中国ではない」とする一方、「中国政府の社会システム、全体主義的なシステムに問題がある」「(中国の)胡錦濤国家主席が言う調和の取れた社会は必要とされているが、それは銃を持ち出し、それで脅して作り出すことはできない」と指摘した。
これに先だって、ダライ・ラマは東京都内の日本外国特派員協会でも記者会見し、「今回の訪問は政治目的ではなく、日本政府と協議することはない」と述べた。また、環境保護を標榜(ひようぼう)する米団体「シー・シェパード(SS)」に対し、「(暴力的な)行動をやめるよう書簡を出した」と明らかにし、過激な活動を批判した。ダライ・ラマは28日まで日本に滞在予定。