【「国賊」語録】公明党・山口那津男代表の訪中直前

【「国賊」語録】公明党・山口那津男代表の訪中直前―香港テレビ局の取材に答え

メルマガ版「台湾は日本の生命線!」より転載

ブログ「台湾は日本の生命線」より。
ブログでは関連写真と問題のインタビュー動画も↓
http://mamoretaiwan.blog100.fc2.com/blog-entry-2024.html

■鳩山元首相に続いて招かれた山口代表

公明党の山口那津男代表は一月二十二日、尖閣諸島に対する中国の覇権主義問題を巡って悪化する日中関係の改善を図るべく、北京訪問へと旅立った。

先頃、同地で尖閣諸島を「係争地」と認める中国迎合発言で物議を醸した鳩山由紀夫元首相と同様、中日友好協会の招きに応じたものだ。

山口氏が「率先して日中関係改善の糸口を探るのには、公明党が支持母体の創価学会とともに昭和47(1972)年の日中国交正常化の道筋を開き、中国との関係を深めてきたとの自負がある」(産経)からだが、それほど同党は中国の寵愛を受けている。

中国にすっかり籠絡され、その歓心を買うことに汲々としているためだ。そうした状況を見るだけでも、この政党があの国の統一戦線工作を受け、良いように操縦されていることがわかる。

■中国に期待される安倍政権のブレーキ役

今回の訪中については公明党が「外交・安全保障政策で肌合いが異なる安倍晋三首相の『ブレーキ役』となり、連立政権内で存在感を示す思惑も見え隠れ」(同)するとの指摘もあるが、中国も同党の「ブレーキ役」への期待は実に大きい。

事実、斉藤鉄夫幹事長代行が十二月の衆議院当選直後に見せた「日本が右傾化しないように公明党がハンドル役になる」との発言などは、あの国のメディアに盛んに取り上げられる。

そのため「周恩来時代から対中関係の基礎を持っているが、与党とは言え小党。もし自民党が(尖閣問題)で譲歩しなければ、影響力は発揮できない」(劉鳴・上海社科院国際関係研究所長)と見られるなか、何としても中国が好まない安倍政権の動きを牽制し、「存在感」を有権者、そして中国にアピールしたいところに違いない。

何かにつけこれまでの日中交流での貢献を宣伝したがる公明党だが、それが中国に利用されることに繋がるわけだ。

■解放軍影響下の鳳凰テレビの取材に応ず

「関係改善の糸口」を求める山口氏だが、中国にとって「関係改善」とは、日本側が尖閣諸島の実効支配強化を諦め、領有問題を「棚上げ」するのが前提だ。あの国が山口氏に与えるとすれば、そうした自国に有利な「関係改善の糸口」以外にあり得ない。

言うまでもなく中国側の「棚上げ」要求は、同諸島に勢力を及ぼし、占領するまでの時間稼ぎの謀略である。これに対して日本側は同諸島を巡って「解決すべき領有権の問題はそもそも存在しない」とする立場で、「尖閣諸島問題で交渉の余地はない」(安倍首相)との考えだ。そのように構えなければ、いずれ同諸島は中国に奪われ、東支那海は「中国の海」となりかねない。

しかし山口氏としては、中国のそうした要求に呼応しない限り、そもそも「ブレーキ役」など務まらない。

かくして訪中直前、香港の鳳凰(フェニックス)テレビのインタビューを受け、「棚上げ」の必要性を訴えたのだ。

ちなみにこのテレビ局は中国人民解放軍の影響下にある

■何を以って日本に「知恵がない」と言うか

取材の記者から「釣魚島問題を巡って日中関係が大変冷え切った中での訪中の狙い」を聞かれた山口氏は、こう語っている。

―――日本で言う「尖閣問題」で軋轢が生じているが、これだけが日中の大きな問題になるのは望ましくない。日中の意見の違いがエスカレートし、不測の事態を招かないよう、緊張を和らげるのが大事。

―――扉を開くための対話を重ねることは政治家が行うことだ。しばらく途絶えてきたが、大局的な日中関係の改善の扉を開く一歩にしたい。

そして、こう語ったのだ。

―――双方の違いが容易に解決できないとしれば、将来の知恵に任せるのが一つの賢明な判断だと思う。今の世代はまだ知恵が十分ではない気がする。

これは紛れもない「棚上げ」の主張だ。中国の侵略攻勢を懸命に防ごうとする日本側に対し、この人物は何を以って「知恵がない」と断じるのか。

■トウ小平の言葉を踏襲した「棚上げ」発言

ここで想起されるのが七八年十月二十五日、来日したトウ小平副総理が記者会見で行った、次のような尖閣問題「棚上げ」の提案だ。

「こういう問題は一時棚上げしても構わないと思う。十年棚上げしても構わない。我々の世代の人間は知恵が足りない。我々のこの話し合いはまとまらないが,次の世代は我々よりもっと知恵があろう。その時はみんなが受け入れられるいい解決方法を見いだせるだろう」

これは中国がまだ海洋進出能力に欠けた時代の提案である。その後能力の向上に伴い、あの国が「棚上げ」の誓いを反故にして今日に至るのは周知の事実であるが、何と言うことはない、山口氏はトウ小平氏の言葉を踏襲、棒読みしただけなのである。

まるで中国に忠誠心を表明するかのような迎合ぶりではないか。

さて、日本の与党内から「棚上げ論」が聞かれたこの瞬間、記者は「これはスクープだ」と色めきたったか、「つまり棚上げすべきと言うことか」と畳みかけた。

いやむしろ最初からこのインタビューは、「棚上げ論」を引き出すために仕組まれたものだったのかも知れない。

■中国向けと国内向けで異なる発言

しかしそれはともかく、山口氏はさすがに慎重だった。国内で批判を浴びるのを恐れ、「棚上げ」とは言わずに言葉を濁した。

―――主張をぶつけ合っても、お互い満足する解決方法が見つからないとすれば、しばらく静かにすることも大きな知恵だと思う。

だがいかに言葉を選ぼうが、「棚上げ」を呼び掛けたのには何の変りもない。

山口氏の発言は「中日は釣魚島争議を棚上げすべきだ」と翻訳され、それがテロップとなって放送時の画面にしっかりと映し出された。そしてこれを受け、中国の各メディアも「山口氏は棚上げに言及した」と伝えている。

山口氏は出発する二十二日、「尖閣諸島は我が国固有の領土で、領土問題は存在しない。それは政府・与党共通した認識だ」と述べ、「棚上げ」発言を「軌道修正した」(時事)とされるが、こういうのを「二枚舌を使う」と呼ぶ。

国内向けと中国向けで、発言を使い分けているのだ。

■「尖閣上空に自衛隊機を入れるな」

インタビューでの山口氏による反安倍政権発言はさらに続いた。どれもこれも中国側が大喜びするものばかりだ。

「日中問題の解決の秘策は」との質問で、こう言い放った。

―――両国の軍用機が島に近付き合うのは不測の事態を招きかねず、お互いに「空には入らない」という合意に至ることも重要だ。

そこで「日本の飛行機も入らないと言うことか」と聞かれると、

―――軍用機が入らないと言うことが重要。非常に両国の緊張を高め、両国の国民に不安を与える行いだと思う。日本の自衛隊機が出れば、また中国が軍用機で対応することを招きかねない。

このように山口氏は、中国機に繰り返される領空侵犯には一切非難も抗議も行わず、中国メディアの前で自衛隊機の緊急発進に自重を求めて見せたのだ。

そしてそれは尖閣諸島の奪取を目指す中国側をさらに励ますメッセージとなった。

もちろんこれも、すでに中国では話題だ。「領空を守るな」と言うに等しい発言に、向こうが快哉を叫んでいないはずがない。

安倍氏は二十二日、「尖閣の上空、領空は私たちの空だ。ここに自衛隊機が入る、入らないは我々が決める」と発言を批判。当然のことである。

■集団的自衛権行使に「反対」と言わされ

中国覇権主義が安倍政権に警戒する大きな一つに集団的自衛権の行使容認があるが、これに対する考えを問われた山口氏は、かねてからの党の主張を展開した。

―――集団的自衛権は持っているが使わないというのが、政府が長年とって来た立場。これは妥当なものとして支持する。自民党には憲法の解釈を変えるべき、憲法を改正すべきとの主張もあるが、日本国民は俄かにそれを望んでいるとは思っていない。

―――十分な議論が必要だし、国の中にも外にも心配する人がいらっしゃるため、十分配慮した検討が必要。

そこで「反対と言うことか」と聞かれるや、

―――政府のこれまでの言解釈は妥当だから、今変えるのは反対だ。

「反対だ」と言わされた山口氏。こうした発言も中国による反安倍政権の宣伝に利用されることだろう。

■中国の手中で踊る山口氏の言動を監視せよ

―――首脳会談の扉を開きたい。双方の意思疎通が盛んになり、最終的に首脳会談に至り、両国関係改善が確定的になるのが重要。その役目を果たしたい。

山口氏はインタビューの中で、このように抱負を語っているが、安倍政権(あるいは今後の日本政府)の対中政策を「中国が望むような方向へ持って行きたい」と言っているようにしか聞こえないのである。

鳩山氏の「係争地」発言について小野寺五典防衛相は「『国賊』という言葉が一瞬、頭をよぎった」と批判したが、山口氏のこれら一連の発言も「国賊」的とは言えないか。

鳩山氏と同様、習近平総書記との会談を希望する山口氏だが、会談は実現しない見通しと報じられている。

おそらく今頃山口氏は、「もっと中国のために働けとの、習総書記のご意向に違いない」と、恐れ畏まっているのではないか。

鳩山氏に次いで中国の手中で踊らされる傀儡の、これからの言動を監視したい。

【追記】山口氏は25日、習近平氏と会見した。


投稿日

カテゴリー:

投稿者: