王 明理
このタイトルは私が言ったのではなく、アメリカ人、大リーグの監督が言ったのである。
一昨年3月のオリオールズのバック・ショーウォルター監督の注目すべき発言が、最近、再び在米台湾人の間で話題になっている。
彼は言った。「台湾は台湾で中国ではない。これからはチャイニーズタイペイと言わずに台湾と呼ぼう!」と。
それに引き比べ、日本のマスコミの見識の無さには愕然とする。
連日、春節の中国人観光客の爆買いを取り上げているが、台湾人を中国人観光客として取り扱っている。台湾人と中国人の区別がつかないのか、わざとやっているのか?
日本人が世界中の誰よりも一番よく分かっているはずのことなのに!
戦争中、日本兵として一緒に命を賭して戦ったのが台湾人、敵だったのが中国人ですよ!
苦楽を共にした台湾人のことを、全て忘れ去ろうというつもりでしょうか?
例えば、話題の映画「KANO」が伝えるように、日本がもたらした野球文化は今も台湾に深く根付いている。スポーツはフェアプレーの世界。運動競技以上の貴い価値観を青少年はもちろんのこと、社会に育んできたはず。日本が残してきた数えきれない文化遺産が、台湾には温存されている。それをよく知って文化を共有し育てていくことが、日本をも豊かにするはずだと思う。そんな貴重な台湾という存在をないがしろにして、金と権力こそが全てと考える中国人と同列に扱い、札束を数える様子を追いかける日本のマスコミには本当にがっかりします。
お口直しに、ショーウォルター監督の発言をお読みください。気分すっきりします。
TAIPEI TIMES,2013.3.13 (英文和訳:趙天徳)
「中華台北」ではなく「台湾」と呼べ! :メジャーリーグ・オリオールズ監督
ボルチモア・オリオールズの監督バック・ショーウォルター氏は、台湾の国を代表する野球球団の呼称「中華台北」を一蹴し、「台湾」という球団名を国際トーナメントで使用する支持を表明した。
ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)ゲームを観戦して、ショーウォーター氏はチーム名を「台湾」と呼ぶよう台湾のメディアに訴えかけた。
“Don’t use ‘Chinese Taipei’ anymore,” he said.
これ以上「中華台北」と呼ぶな!とショーウォーター氏。
ショーウォーター氏は、昨年メジャーリーグで台湾のピッチャー・チェン・ウェイ・イン(陳偉殷)のルーキー・シーズンに12-11と勝越し勝利の記録を導いた後に、台湾との深い繋がりを持つようになった。
昨年優秀な成績を収めたチェン・ウェイ・インはオリオールズのレギュラーメンバーの先発投手として、米国大リーグのサウスポーピッチャーで同国最大のスターワング・チェン・ミン(王建民)にとって代わって、地元ファンの追従の焦点となった。
昨年多くの台湾スポーツジャーナリストやテレビ局がボルチモアでチェンの取材を通じてショーウォーター氏を知るようになった。
WBCゲームを観戦している間、ショーウォーターは他のナショナル・チームだけでなく台湾チームに心を打たれた。
月曜日にサラソタ(フロリダ)のオリオールズ春季トレーニング球場のチーム練習のセッションで、ショーウォーター氏はティム・リン(林為鼎)(チェン・ウェイ・インの通訳担当)に対し「あなたは『台湾人』ですか、或は、『中華台北人』ですか?」と尋ねた。
“Of course, I’m Taiwanese,” Lin replied without hesitation.
「当たり前『台湾人』だよ!」と林氏、間髪を入れずに即答した。
ショーウォーター氏は更に「素晴らしい!私が思った通りの返答だ!『台湾人は台湾人』。これからは君の野球チーム・ジャージーは「台湾の文字」を表に出さないといけないね。これ以上「中華台北」を使うな!君たちはWBCで優秀な成績を収め第二ラウンドにコマを進めた。」
嘗てニューヨーク・ヤンキース、アリゾナ・ダイアモンドバックス、そしてテキサス・レンジャースの監督を歴任したショーウォーター氏は国籍混乱の問題を最も嫌う。
昨シーズン、数人のジャーナリストはチェン・ウェイ・インを中国の国民であると誤解したのに対し、ショーウォーター氏はすぐさまその誤りを指摘しその場で正した。
“I know this very clearly. China is China and Taiwan is Taiwan. They are different countries,” he said.
「私は、台湾は台湾、中国は中国、両者は2つ異なる国であることを良く理解している!」