「国民党副主席の中国訪問・その背後」

「国民党副主席の中国訪問・その背後」

 「台湾の声」編集長 林 建良(りん けんりょう)

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2/8-2/17の10日間、国民党副主席・夏立言率いる国民党中国訪問団が訪中した。実は2022年8月10日も中国訪問をしていた。
8月10日とはどういう日か。
ナンシー・ペロシ下院議長(当時)の訪台後、中国が軍事演習をしている最中。この最中にあえて国民党が訪中している。まさに(国内外の反中の)雰囲気と逆行している。

これから見れば中国が意図的にこのような時期を選んで国民党に訪中させていることが分かる。今回の訪問も中国の偵察気球が発覚した後というタイミング。

訪問した相手は宋濤(台湾弁公室主任)。
主任といっても閣僚級。
従来台湾弁公室の主な役割は中国に進出している台湾企業の面倒を見ること。
ただし宋濤は特務出身。
台湾弁公室は実質台湾の内部にどう手を突っ込むか。
これが習近平3期目対台湾工作の方針転換の表れ。

宋濤は夏立言に対し、
「我々は1つの中国の原則、92年コンセンサスを堅持していく。1つの中国は話し合いの前提。これを認めなければ話し合いはない。」

92コンセンサスとは
「1つの中国。台湾は中国の一部。台湾と中国の関係は1国2制度のもとで統一する。」

また宋濤は夏立言に対し、
「これから台湾の有識者と相談して、これからどのように統一するか具体的に相談していく。」
これは国民党と相談していくという意味で、実質国民党を中国共産党の台湾併合の手先にしようとしている。実際はすでに手先になっているが。

「台湾の各領域と融合していく。」
この宋濤の発言は習近平の3期目の方針を表している。

中国の本当の思惑とは、
1.台湾の統一は特務政治によって、国民党を通じて台湾内部に浸透し、多くの拠点を作り、併合を図る。
2.利権を持って、親中派と国民党の人間を釣り、金で台湾を買う。
3.アメリカと衝突しているタイミングで、台湾最大野党を呼びつけて、台湾は親米ではなく親中だと国際社会にアピールする。

国民党の訪中の思惑は、
表向き思惑は、
1.台湾の農民と漁民の声を中国に伝える。
2.対台湾窓口の責任者との接触と交流。
3.台湾企業の面倒を見るため。

本当の思惑は、
1.政治献金をもらう。
2.利権のため
3.朱立倫の党内での有利な状況を作るため。

今回の国民党訪中がもたらす影響とは。
1.国民党は共産党の手先だと国内外に宣伝。
2.台湾国内の親中派からの支持が上がる。中間票が逃げる。
3.中国の台湾企業はずっと人質状態。

長期的な目線で見ると国民党に有利ではない。

中国国民党は親中そして本質的に反日。
中国国民党の政治家は中国共産党の前では挨拶時にスマホをいじることは絶対ないが、日本の政治家の前だとする。これは本質的に日本を軽視しているから。

親日・親米と親中は同時になることは絶対にない。
中国国民党の中国接近は自滅の道。


台湾の声

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