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「台湾の声」編集長 林 建良
2023年の中国経済。一番影響を与えるのは疫病問題。
中国問題を論じるのは中国内部の人間だと信用できるのか。
本来はそうではない。
ただし例外もいる。
中国内部から自国の経済をどう見ているか。
比較的良心的な経済学者、
中国政府経済発展委員会の一部である、
産業発展促進会の学術顧問の魏加寧が、
2022年12月24日に開催された中国金融安全フォーラムで講演した内容が、
2023年1月2日のSino-US Timesに掲載された。
この記事は中国政府により完全にブロックされた。
これは中国政府にとってとても刺激的な内容であった。
その内容とは、中国経済はガタガタというもの。
2022年4月から中国経済は急速的に悪化していると魏加寧は発言した。
この時期はちょうど上海がロックダウンした時期。
魏加寧の講演では、データらしいデータを一切取り上げなかった。
普通なら経済分析の専門家でデータや統計に一切言及しないのはとても珍しい。
むしろ怪しい。
なぜなら通常はデータを根拠にして話すから。
中国内部の人間は恐らくいろいろなデータを見ているはず。
それにもかかわらず、今回の講演で一切データを出していなかった。
その理由とは何か。
それは魏加寧が中国国家統計局が出しているデータを馬鹿らしくて使っていられないから。
ただし別のデータを用いると、魏加寧は中国政府の一員なので批判される。
よって魏加寧はすべてのデータを出さないことを選択したと思われる。
データを出さない経済学者の話は普通なら信用できないが、中国だけは例外。
中国内部の専門家の話はデータを出さない方が信用できる。
魏加寧は中国経済はキョンシー化、歩く死体(ウォーキング・デッド)になるリスクがあると話した。
彼は未来形で話をしているが、実際は現在進行形。
魏加寧が指摘した中国のキョンシー化
1.市場のキョンシー化
中国は人口が多いが、消費能力がなければ内需は成り立たない。
3年間の疫病対策によって消費能力は更に落ち込んでいる。
2.企業のキョンシー化
国営企業化が進み、民間企業が苦しくなる。
民間企業も国営企業も必要最低限の仕事しかしない。
3.銀行のキョンシー化
国と地方政府と絡んでいるのであまり仕事をしたがらない。
4.財政のキョンシー化
長江デルタは本来中国で一番潤っているところ。
2022年の長江デルタの財政も赤字。
そうすると地方に財政補填ができない。
5.政府のキョンシー化
ゼロコロナ対策とゼロコロナ対策転換による失策。
そして計画性がない。
3つの処方箋(習近平に対する討伐)
1.情報交換
2.民主と法治の建設
3.全面的反省→法的追及
習近平に対してなぜここまで強気なことが言えるのか。
習近平が実際弱気になっているから。
それは元旦談話からも見てとれる。
「中国には様々な意見がある。中国は一番困難な時期。」
これは独裁者が弱みを見せている証拠。
独裁者が人民の声を聞こうとすれば崩壊する。
習近平の政権運営が非常に不安定となる2023年になるであろう。
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