【ニュース】中国に有利な合意で台中経済統合の懸念強まる

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【ニュース】中国に有利な合意で台中経済統合の懸念強まる

「台湾の声」

 台湾の対中窓口機関である海峡交流基金会の江丙坤理事長と中国の対
台窓口機関である海峡両岸関係協会の陳雲林会長との会談(第4回江陳
会談)が12月22日、台湾中部の台中市で開催され、3項目の協力合意書
に調印した。

 今回合意した3項目の内容は、両岸(台中)の農産品の検疫検査協力、
製品標準の検査認証協力、漁船船員労務協力で、具体的には農産品の検
疫の基準共通化、工業製品の規格認証の基準共通化、台湾漁船に雇われ
る中国人漁業労働者の管理協力(中国人漁業労働者や仲介業者の権利保
護)などが含まれている。

 一方、事前に調印が予定されていた「両岸二重課税防止協力」につい
ては、調整が間に合わず調印されなかった。台湾当局発表は「技術的な
問題」としているが、実際には中国側が事前の合意事項を直前になって
変更を要求し、香港モデルを台湾に押し付けようとして台湾が反発した
模様だ。台湾の報道によると、台湾企業の課税に関してもともと「居住
地」課税で合意に至るところが、中国側が「源泉地」課税を要求したこ
とから、合意できず調印が見送られたと見られている。

 合意した3項目についても野党などから問題点が指摘されている。農
産品の検疫について、もともと検疫基準について台湾側が厳しく、中国
側が甘かったものが共通化されるということは、台湾側が中国の農産品
の輸入開放を迫られることにつながり、安価の中国製農産品が台湾の農
業を窮地に追い込むのではないかと懸念されている。

 工業製品の規格共通化は、中国と台湾が共同で工業製品の規格を統一
することで、台湾企業が中国で生産する工業製品の優位性を保つことを
狙うものだが、台湾がより「一つの中国市場」に取り込まれる懸念があ
る。漁業労務協力についても、中国人労働者の台湾就労解禁につながる
のではないかと懸念されている。

 このほか、来年上半期に予定されている次回の第5回江陳会談につい
て、知的財産権保護及び、実質的な台中自由貿易化を目指す「両岸経済
枠組協定」(ECFA)を議題とすることが確認された。

 ECFAについては、12月20日に野党の民主進歩党(民進党)、台湾団結
連盟(台連)ほか台湾派民間団体らによる大規模なデモ活動が行われ、
蔡英文・民進党主席は、馬政権がECFAに関して国民、野党、国会(立法
院)と意思疎通しようとしないことを批判し、ECFA締結によって、関税
撤廃で中国製品が大量に台湾に流れ、台湾の産業技術も中国に流れ、就
労機会も増えないのではないかと、ECFAについてプラス面しか説明しよ
うとしない馬政権に疑問を投げかけている。

 黄昆輝・台連主席は、ECFAは「自殺政策」であり、香港がCEPA(中国
本土・香港経済連携緊密化取決め)を締結した後、失業率が上昇し、貧
富の格差が拡大したことから、台中間のECFAもそのような状況になりか
ねないと語った。さらに黄主席は、ECFAで利益があるのは一部の大企業
だけで、中小企業や農民はみな損害を被ると指摘し、ECFA反対を訴えて
いる。

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