7月25日、横浜の真照寺にて台湾出身戦没者慰霊碑の開眼・除幕式

本誌5月16日号でお伝えしたように、昭和でいえば100年、先の大東亜戦争終結からは80年を迎えた本年の4月下旬、台湾出身戦没者慰霊碑が横浜市磯子区の真照寺に建立された。

台湾出身戦没者慰霊碑の建立は、本会理事で信用組合横浜華銀理事長をつとめていた呉正男(ご・まさお)氏の悲願だった。

呉氏は1927年(昭和2年)に台湾・斗六に生を享け、8月4日の誕生日を迎えると満98歳となる。

足は弱ったものの、まだまだお元気である。

大東亜戦争では陸軍の滑空飛行第一戦隊に配属され、大型グライダー(滑空機)を曳航する九七式重爆撃機の機上通信士として従軍。

終戦後はソ連・カザフスタンに抑留された数少ない台湾籍の日本軍人だった。

大東亜戦争では3万人を超える台湾籍軍人と軍属が戦歿したことで、毎年欠かすことなく、お住まいの横浜市内から2時間以上をかけ、東京奥多摩の笠松展望園で催される台湾出身戦歿者慰霊祭に参加していた。

しかし、台湾出身戦歿者のことがだんだん忘れ去られることを憂え、誰でも気軽に台湾出身戦歿者を慰霊する碑が東京都内や横浜近郊などの近場にできることを願い、いろいろな方に声を掛けていた。

すると、昨年末になって友人の郷土史家を通じ、呉氏の悲願に賛同する同じ横浜市内にある真照寺(高野山真言宗)住職の水谷栄寛師に巡り会った。

住職の父が元海軍飛行予科練習生だったこともあり、話はトントン拍子に進み、本年1月末からクラウドファンディングによる募金活動がはじまり、4月下旬には慰霊碑が設置された。

碑は3基一組で、メインの慰霊碑には「台湾出身戦没者の方々 あなた方がかつてわが国の戦争によって尊いお命を失われたことを深く心に刻み 永久に語り伝えます どうぞ安らかに永眠してください」と刻まれている。

これは、東京奥多摩の笠松展望園の慰霊碑に刻まれた碑文と同じだ。

呉氏のたっての願いで同じ碑文にしたという。

別の碑には「祖国台湾 母国日本」と刻まれている。

慰霊碑の下には、靖國神社や東京奥多摩の笠松展望園、沖縄の台湾之塔、新竹・北埔の南天山済化宮で採取してきた土を納めたそうだ。

来る7月25日、真照寺にて台湾出身戦没者慰霊碑の開眼・除幕式が斎行されることになった。

主催は台湾出身戦没者慰霊碑建立委員会、発起人代表は呉正男氏。

心ある方はぜひご参列ください。


台湾出身戦没者慰霊碑 開眼・除幕式のお知らせ

謹啓各位におかれましては、日々ご清祥のことと拝察申し上げます。

さて表題の件、先の大戦で戦没された台湾出身の方々の御霊をお慰めする場所として、「台湾出身者慰霊碑」が建立され、碑の開眼・除幕式が下記の通り催行されることとなりました。

皆様と共に、本式を祝いたく、ご案内申し上げます。

敬白。

                    記
台湾出身戦没者慰霊碑開眼・除幕式

・会 場:
 真照寺
 〒235-0016 横浜市磯子区磯子8-14-12 (磯子小学校正門前)
 【交通】
 JR京浜東北・根岸線 根岸駅下車
 徒歩19分(タクシー:約7分)
 JR京浜東北・根岸線 根岸駅下車
 バス5分 横浜市営バス[21系統]根岸駅前(5番乗場 市電保存館前行)
 → 4つ目の禅馬(ぜんま)停留所にて下車

・開催日:令和7年7月25日(金)

・次 第:
 慰霊法要(真照寺本堂)15:00開式
 慰霊碑開眼・除幕式(真照寺境内慰霊碑前)15:40ごろより
 16:00 閉式予定

 *法要は、大本山須磨寺貫主猊下の導師による、仏教式で行われます。

 *当日は混雑が予想されますので、お車でのご来場はお控えください。
 (境内の駐車場はご利用できません)

 *本堂は収容人数に限りがございます。
  境内からのご参拝となりますのでご了承ください。

 *マスコミによる撮影が行われますので、ご承知おきください。

 *時節柄、帽子、飲料、冷却装置など、暑さ対策を、各自、必ず行ってください。

 *不測の事態が発生した場合、救急車の手配等は行いますが、それ以外の責は負いかねます。

 上記をご了承の上、ご参列ください。

◆台湾出身戦没者慰霊碑建立委員会
 発起人代表 呉正男

 〒235-0016横浜市磯子区磯子8-14-12真照寺内
 TEL:045-753-5147  FAX 045ー752-6348
 E-mail:shinsyouji@jcom.home.ne.jp
 Web:https://www.shinsyouji.com/


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