愛知県西尾市出身で、芝山巌(しざんがん)事件で非命に斃れた六士(氏)先生の一人で
ある関口長太郎(せきぐち・ちょうたろう)の生誕150年を期し、慰霊顕彰の記念行事とし
て「関口長太郎先生のご生誕を祝う会」を有志らと開催した。
今年も来る11月11日の生誕日を前に慰霊顕彰祭と講演会を開催する。講演は「日台交流
の歴史を振り返って」と題し、伊藤弘氏(ゆうとぴあ三ヶ根支配人・日台友愛桜の会副会
長)が行う。
芝山巌事件は今から117年前の明治29(1896)年1月1日に起こっている。台湾の芝山巌公
園には今も六士(氏)先生のお墓があり、台湾の人々に守っていただいている。今夏、本
会青年部もお墓を守る士林小学同窓会会長の林政毓(りん・せいいく)先生のご案内で参
拝している。だが現在、ご遺族は別として、六士(氏)先生の慰霊顕彰を続けているの
は、この関口長太郎のみではないだろうか。お近くの方はぜひ参列されたい。
なお、慰霊顕彰祭を執り行う杉田謙一氏が、関口長太郎の石碑の周りに竹垣が組まれて
整備されていたことを「草莽通信」で記している。併せてご紹介したい。
台湾教育の始まりは明治28年(1895年)4月17日の下関条約によって日本領となってから
です。日本の音楽教育を全面的に担った文部省学務部長心得の伊澤修二先生は日本全国か
ら集めた7人の優秀な人材を連れ、台湾に渡り、台北北部の士林に「芝山巌学堂」という最
初の学校を開いた。伊沢先生が今の愛知教育大学に奉職されていた際に出会ったのが若き
関口長太郎先生。
既に西尾において小学校を設立し、初代の西尾小学校校長として更に幼児教育の魁とし
て関口先生はご活躍になってみえました。
台湾行きは是非との志願。家族を残し台湾に行かれ、寸暇を惜しんで教育をされたので
す。この7先生の教育は芝山巌教育と尊称されています。
この頃の台湾は内地人を敵視するゲリラ、匪賊がおり、周辺住民は教師たちに再三退避
を勧めましたが、「もとより教育とは命がけなもの」として聞き入れようとしませんでし
た。明治29年元旦、6人の教師と1人の用務員が新年の参賀会に出席するため、芝山巌を下
山しようとしたとき、100人の抗日ゲリラに取り囲まれ、惨殺されてしまいます。
6人の教師のお名前は、山口県・楫取道明(38歳、久坂玄瑞・吉田松陰の甥)、愛知県・
関口長太郎(37歳)、群馬県・中島長吉(25歳)、東京府・桂金太郎(27歳、東京府士
族)、山口県・井原順之助(23歳)、熊本県・平井数馬(17歳)の各先生です。教育に文
字通り命を懸けられた諸先生の御霊に深く感謝し、教育の生に向けて心新たにいたしたく
思います。
台湾との交流にご興味のある方、教育復興を希望される方のご参加ご協力を是非御願い
申し上げます。
関口長太郎先生慰霊顕彰祭
◆日 時:平成25年11月9日(土)午前9時半集合
慰霊祭:10時より
講演会:10時40分より
演 題:「日台交流の歴史を振り返って」
講 師:伊藤弘氏(ゆうとぴあ三ヶ根支配人・日台友愛桜の会副会長)
食事会:12時〜13時
◆場 所:慰霊祭 関口長太郎先生の碑前(西尾市立西尾小学校・西尾城との両隣)
西尾市錦城町162
講演会 歴史公園・「尚古館」(0563-53-0380)
西尾小学校北隣(駐車場あり。碑まで徒歩3分)
◆連絡先:愛知の教育を考える会事務局
岡崎市赤渋町下河原17 TEL:090-8554-0817(杉田謙一)